fbpx

「仮想通貨詐欺」にご用心!ビットコインの落とし穴はこう乗り越えろ=俣野成敏

1. 仮想通貨が不安なのは、デジタルだからじゃない

当メルマガは、ご自身の「資産を増やすための方法や考え方」をお伝えすることを目的としているため、仮想通貨の細部にまでは立ち入りません。ただ、仮想通貨を投資対象として検討するに際して、「あった方がいい」と思われるベースとなる知識を中心にお話しています。

仕組みを知ることによって、詐欺などにも遭いにくくなります。

【お金は「リアルじゃないと不安」は本当?】

仮想通貨はもともと現物がないため、不安に思っている人は結構、多いのではないかと思います。けれど「デジタルだから恐い」「リアルじゃないから不安」というのは本当なのでしょうか?

前回もご説明しましたが、仮想通貨とは「暗号化した過去の取引記録を連ねた電子データ」のことです。これによって「利用者が現在、ビットコインをどれくらい保有しているのかを客観的に証明できる」システムがブロックチェーンです。この仕組みによって、ビットコインは第三者による裏付けを不要としました。

第三者による裏付けとは、たとえばECサイトで注文を入れた場合、利用者がカード決済を選択すると、クレジット会社が支払いを保証することによって、サイトの運営者は商品の発送手続きを行います。利用者が振り込みをした場合も同様に、金融機関が「確かに支払いがあった」ことをECサイトに対して保証した結果、商品の受け渡しが行われています。

これが、現在の商取引における一般的なプロセスです。このように、通常は知らない者同士が取引するためには、信頼のおける第三者が間に立つ必要があります。けれど、ビットコインはそれを「無用のものにした」という点で画期的な仕組みです。

ビットコインは、元をたどるとマイニング(採掘)と呼ばれるコインの生成作業を行う対価として生み出されたものです。ということはある意味、ビットコインは「取引の承認作業」という労働と等価交換されていることになります。いわば、マイナー(採掘者)の労働力がビットコインの価値を担保しているともいえます。

それに対して、国が発行しているお金は、発行当初は額面と価値がイコールではありません。人々が1万円分の価値のものと交換して、初めて1万円分の担保を得ることになります。こうなると、考えようによっては、仮想通貨は国が発行している通貨よりも信用がおけるのかもしれません。

【仮想通貨はやがて「クレカに取って代わる」】

おそらくほとんどの人が、ご自身の資産を銀行に預けたり、株や不動産に変えるなどして、全額を現金のまま、手元に持っている人はいないでしょう。

ちょっと極端な話になりますが、たとえばご自分の持ってる預貯金を全額引き出して、家のダイニングテーブルの上にずっと置いておくことを想像してみてください。たとえ「ここは自分の家だから、強盗なんかこない」とわかっていても、不安に思うのではないでしょうか?つまり、人が不安に感じているのは、「現物があるかどうか?」ということではないのです。

結局のところ、人々がビットコインに対して抱いている不安とは、主に

  1. セキュリティが大丈夫か?
  2. お金を自由に動かせるのか?

の2点です。

(1)に関しては前回、ビットコインがブロックチェーンという優れた認証システムを持ち、さらに取引の全データを暗号化してネット上で公開することによって、匿名性と透明性を両立させているということをお話しました。

(2)に関していうと、確かに現在の仮想通貨は、まだ使えるインフラが整っていない部分が見られます。ビットコインは依然、そのまま直接使えるところは少なく、デビットカードやプリペイドカードにチャージして使う場合がほとんどです。周りから見ても、クレジットカードで決済しているようにしか見えませんし、店員も自分がビットコインを扱っているとは微塵も思っていないでしょうが。

かつてはクレジットカードも、扱っているところが少ない時はなかなか普及も進みませんでした。扱うお店が増え、ネットの決済方法として定着したことから、今ではクレカを持っていない人の方が少なくなりました。

クレカがこれだけ普及した理由のひとつに、販売側が手数料を支払ってまでクレカを導入した経緯があります。なぜ、安くはない手数料を払ってまでお店がクレカの利用をOKにしているのかというと、それは購入者にクレカを使ってもらったほうが平均単価が上がるからです。サインひとつでモノが買えるクレカだと、現金を直接支払うよりも、購入者の購入に対する心理的障壁が低くなるのです。

現在はクレカのほうがビットコインより圧倒的に優勢ですが、仮想通貨の普及が進み、世の中の「使いたい」という需要が増えてくれば、販売側にとってもクレジットカードより手数料が安い仮想通貨を導入するようになることは火を見るよりも明らかです。そうなれば「ビットコインでしたらご利用いただけます」という時代がきても不思議ではありません。

クレカをネット決済に使用している以上、もともとデジタルが問題になっているのではありません。つまり、ひと言でいうと「慣れ」です。結局は、仮想通貨を「自分のものだ」と確信が持てるかどうかの違いだけなのです。

Next: ハッカーがあなたの口座を狙っている!? 仮想通貨のセキュリティ問題

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー