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小池氏より怖い安倍総理の「次の敵」アベノミクス再加速と株高の盲点=近藤駿介

決して不可能ではなかった「たられば」シナリオ

リベラル派の旗印となる立憲民主党の立ち上げによって大きく変化したのは、比例区の投票行動である。今回の選挙で、立憲民主党は55議席を獲得して野党第一党の座を得たが、そのうち37議席は比例代表で得た議席だった。これに対して、50議席に留まり惨敗を喫した希望の党が比例代表で得た議席は32議席にとどまっている。

選挙に「たられば」は厳禁だが、比例候補を立てられるのは政党だけであるから、もし小池代表が「排除」した議員たちが立憲民主党を立ち上げずに無所属で出馬していたとしたら、少なくとも立憲民主党が獲得した37議席という比例代表枠は他党に流れたはずで、希望の党がここまで惨敗することはなかったといえる。

小池代表が発した「排除の論理」は、「小池劇場」のシナリオに書かれていた「保守勢力内での政権交代」という選挙構図を「改憲派vs護憲派」に変えると同時に、有権者に「小池代表の人柄は安倍総理と同じくらい信頼できない」という印象を植え付けるという二重苦を生み出す結果となってしまった。

これによって希望の党は、「反自民のリベラル派」の票も「保守層の反安倍」の票も取り込めない状況に追い込まれてしまったといえる。

「小池劇場」の弱点は、「小池百合子」以外に主演俳優がいなかったことに加え、「小池人気」を背景に「人柄が信用できない」という評価を受けている安倍政権に対して「印象選挙」を仕掛ける作戦であったため、具体的な政策を用意していなかったことである。

「小池劇場」のシナリオにはなかった「改憲派vs護憲派」という構図になっても、小池代表や希望の党が「愚直に」消費増税凍結とその財源を訴え続けていれば「完敗」することはなかったかもしれない。しかし、「印象選挙」で乗り切るために急ごしらえで立ち上げられた希望の党は、残念ながら政策論争をできるような組織になっておらず、「風と共に去りぬ」にならざるを得なかったのである。

現実には、立憲民主党すら安倍自民の「追い風」に

今回の総選挙で特徴的なのは、安倍総理が解散の大義として挙げた「少子化問題」や「消費増税の使い道」に対する政策論争がほとんど見られなかったことである。とってつけたような「大義」が選挙戦を通してほとんど議論の的にならなかったことが、安倍政権にとって強い追い風になったといえる。これも「立憲民主党効果」のひとつであった。

Next: 浮かれる安倍総理に釘を刺す「反アベノミクス研究会」の面々

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