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5年ぶり減収減益 トヨタが怯える「トランプ以外」の隠れリスクとは?=栫井駿介

最大のリスクは「トランプ大統領」ではない

アメリカ集中によるリスクは成長力だけではありません。目下騒がしくなっているのが、トランプ大統領の「口先介入」です。コストの高いアメリカでの工場建設を強要されるようなことがあれば、マイナスの影響が出ることは確かです。

しかし、私は「トランプリスク」をさほど問題視していません。トヨタはすでにアメリカに10ヶ所の工場を建設し、13万人の雇用を生み出しています。新たに工場を建設するとしても、それはこれまでの延長線でしかないため、大きな影響は出ないと考えられます。

それ以上に重大なリスクは、景気悪化時に販売減少と円高に同時に襲われることです。

景気が悪化すると、投資家はリスク回避の動きを加速させ、円高ドル安となります。トヨタは為替が1円円高になるだけで営業利益が約400億円減少するとされていますから、円高になるほどダメージは甚大です。景気悪化により自動車の販売も減少するでしょうから、売上が減って利益率も下がるというダブルパンチを受け、大幅な業績悪化が想定されます。

実際に、リーマン・ショック後の2008年度決算では、4,300億円もの最終赤字を計上しました。このような業績悪化リスクは企業努力でどうにかできるものではなく、投資を考えるならまず念頭に置かなければなりません。

景気に関しては決して芳しくない兆候が現れています。米国の新車販売台数は昨年頭打ちとなり、リーマン・ショックからの回復局面の終焉が見えつつあります。信用力の高くない「サブプライム」自動車ローンも増加していると言われ、既に過熱感すら漂っています。

トヨタへの投資は「安全運転」とは言い難い

このようにトヨタ自動車は日本最大の時価総額を誇り、一見安心感があるように思えますが、リスクを考えると決して安易に投資できる銘柄ではありません

もちろん、製品や経営能力は随一のものがあり、優良企業であることには違いありません。そのため、投資するなら上記のようなリスクを理解した上で、十分に割安となるタイミングを見計らうことが成果を上げるうえでは重要と言えるでしょう。

つばめ投資顧問は相場変動に左右されない「バリュー株投資」を提唱しています。バリュー株投資についてはこちらのページをご覧ください。記事に関する質問も受け付けています。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年2月8日)

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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