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為替市場を左右するイエレンの「いいね!」とフランスのテールリスク=式町みどり

フランスの超右派「ル・ペン大統領」が誕生する可能性は?

トランプ大統領が出すインパクトが大きいので、米国に注目が行きがちですが、引き続き注目していきたいのが欧州。特にフランスです。

フランス大統領選挙は、4月~5月に予定されています。当初、本命予想されていたフィヨン元首相がスキャンダルで支持を低下させ、このところ、国民戦線(超右派)のマリーヌ・ル・ペン候補が世論調査で支持を高めています。

これまで、「さすがに、それはないだろう」のテールリスクと考えられていたル・ペン大統領誕生を一部の投資家の間では意識し始めたとの情報も伝わっています。

フランスの政治リスクを織り込みつつ、ドイツ国債とフランス国債との利回り格差は拡大しつつあり、またオプション市場でも有事のドイツ国債買いを想定した買いオプションの需要が注目されています。

昨年のBREXIT、トランプ政権誕生と事前予想を覆す結果が2事例あるために、心理的にそちらに行きやすいというのはあるかもしれません。

フランス大統領候補は、フィヨン元首相、ル・ペン国民戦線党首の他、若手の改革派として知られるマクロン前経済相も期待が高まっています。

ル・ペン大統領誕生=ユーロ離脱は現実的には起こらないだろうとは思いますが、その連想はユーロ相場を動かす材料になる可能性があります。

このところのユーロ・ドル相場は静かな動きながら頭が重い展開です。各国の選挙戦への注目に加えて、前回の拙コメントでも触れましたが、ギリシャ債務のリスクも懸念材料です。欧州情勢は、為替相場への影響のみならず、市場リスクとして、成り行きを見守っていきたいと思います。

事前に懸念もあった先週末の日米首脳会談は、両首脳の親密さを誇張するような情報を見せつけられましたが、実際には裏で副総理と副大統領の副副の経済対話で進められていく印象です。今後は、副副中心に発せられるだろう情報から判断していくということになりそうです。トランプ流のやり方でしょうか。

今月は米新政権の予算教書が注目材料なのですが、トランプ政権は要職人事が相当遅れているようで、ムニューチン財務長官の任命も一昨日13日でした。人事が整い、政権が本格的に始動するまで、しばし待たなければならないようです。

来月は日本の年度末。決算に関連して海外からの利益送金などのリパトリエーションがドル円相場では意識されます。当面、上記したレンジ相場が続くのではないかと見ています。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

※2月15日東京時間午前11時執筆
本号の情報は2月14日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います)

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億の近道』(2017年2月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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