デビットカードが普及しない理由
デビットカードに関しては、日本における1人当たりの保有枚数は非常に高くなっている一方で、カード決済金額の対名目GDP比率は極めて低い。
日本では人々が預金引き出し等のためのキャッシュカードをデビットカードとしてはほぼ全く使わないまま複数枚持ち歩いていることになるが、なぜデビットカードが普及していないのか。日銀のレポートは次のように指摘している。
日本においてデビットカードの利用が広まっていない理由としては、米国では銀行業界が、大量の小切手処理に伴うコスト削減の観点から、小切手を代替するデビットカードの普及に努めたのに対し、日本ではもともと小口決済において小切手の利用が普及していなかったことや、クレジットカードの発行に伴う審査が諸外国に比べ厳しくなく、比較的多くの人々がクレジットカードを持てること、さらには、このようなクレジットカードが利用される際、1回払いが選択される場合が多く、機能的にはもともとデビットカードに類似した使われ方がなされていることなどが挙げられる。
海外では「キャッシュレス化」がどんどん進んでいる
海外でのキャッシュレス化の普及状況をみると、たとえばスウェーデンでは同国の複数の有力銀行が共同で開発したスウィッシュ(Swish)と呼ばれるモバイル決済が広く使われている。
中国でのモバイル決済は「支付宝(アリペイ)」と「ウィーチャットペイ」の2強に延べ12億人が登録している。このように使い勝手の良い限られたモバイル決済が大きく普及している。
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