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格差社会を生き抜く貯蓄術(前編)~サラリーマンの給料が上がらない真の理由=俣野成敏

1. なぜ、あなたは貯蓄ができないのか?

「貯蓄をしたい」とおっしゃるあなたに質問です。「なぜ、貯蓄が必要なのでしょうか?

こう聞くと、あなたは「そんなのわかりきっている」とおっしゃるかもしれません。だったら、必要とわかっていながら貯蓄ができない理由とは何なのでしょうか?

ここではまず、「なぜ貯蓄がそんなにも大事なのか?」ということから話を始めたいと思います。これがわかれば、今は貯蓄ができないあなたも是が非でも貯蓄をしたくなるに違いありません。

【サラリーマンの給料が上がらない真の理由】

「貯蓄が大事」な理由について説明するのに、再度、前述したピケティ氏にご登場いただきましょう。あれだけ流行ったピケティ氏ですが、氏の研究の本質を理解できている人は多くはありません。でも以下をお読みいただければ、納得すること請け合いです。

ピケティ氏と言えば、所得格差拡大の実証研究で有名です。それは「資本収益率(r)>成長率(g)」という、たった1つの不等式で表されます。

ピケティ氏の言う資本収益率(r)とは、不動産投資などを思い浮かべていただければわかりやすいと思います。資本は投資によって収益を上げ、それが次第に増えていきます。対する成長率(g)とは、「産出と所得の成長率」ということですが、一般的には経済成長率と考えられています。賃金の上昇は、たいがい経済成長率と連動しています。

資本は投資をすることによって利益が増えていきますが、労働による収入は働かなければお金にならず、また自分の仕事の成果に依存しています。もちろん投資も労働報酬も、どちらも市場の動向や事業の成否などが関係してきますが、投資の場合は最初の商品の選定でほぼ結果が決まります。どういう意味かを説明しましょう。

投資の基本的な成功条件とは、「投資先の事業に顧客を惹きつける要素があって、利益が生まれる仕組みがある」ことです。そこにお金を投じれば、事業が動き出して利益が生み出されます。投資で失敗するのは、たいてい未来予測が甘かったか、仕組みに問題があったか、のいずれかです。

そもそも、資本収益と労働収入の一番の違いが何かと言うと、資本収益の場合は「お金を生み出す仕組みに対して出資をする」のに対して、労働収入の場合は「自らが仕組みの一部になっている」という点です。つまり【労働収入とは、お金を生み出す際のコストになっている】ということです。

通常、コストを上げる時というのは、コストを上げた以上の収益が見込める場合です。たとえば経済が成長していて、増産しても売れる見込みが立つ時などです。それ以外に人手不足等によりやむなく給料を上げることもあります。

しかし、これだと売価に跳ね返るため、他の手段(AIの導入等)に切り替えられる可能性があります。コストには常に下げ圧力がかかっています。だから、ただ働くだけでは収入は増えないのです。

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