いい株が安くなるのを待って買い、じっくり上がるのを待つ
このような相場でバリュー株投資家が取るべき行動は何でしょうか。私からアドバイスできることは「難しいことはしない」ということです。
優良株への資金集中で、これらの株価が短期的には上昇する可能性は否定しません。しかし、優良銘柄でもPERが高ければ、やがて大きな下落がやってきます。その前に逃げればいいと思うかもしれませんが、株価は日々アップダウンを繰り返しますから、どれが本当の下落なのか見極めるのは容易ではありません。
暴落は急激に訪れます。直前で逃れることはほとんど不可能と思った方が良いのです。
そもそも、「いつか逃げよう」と考える投資は、精神衛生上望ましくありません。投資が実生活に悪影響を及ぼすようなことになれば本末転倒です。精神的に苦しい投資はなかなか続かないでしょう。
バリュー株投資家は、急ぐ必要はありません。ニフティ・フィフティの例で言えば、株価が下落した後に訪れた「株式の死」の10年間でせっせと仕込みを行えば良いのです。
成果が出るまでには時間がかかるかもしれませんが、それこそ株式投資の王道です。いくら株価が下がったとしても、企業の価値が変化するわけではありませんから、株価が下がってから優良企業に投資しても決して遅くはないのです。
「いい株が安くなるのを待って買い、じっくり上がるのを待つ」。このスタイルを確立できれば、長期投資で成功する確率を大きく高めることができるでしょう。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年7月5日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。