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アメリカの利上げはやっぱり9月?これまでの経緯と今後の見通しを分析

これまで最有力と見られていたアメリカの9月政策金利引き上げ説。しかし世界的な株安の動きに、一部ではこんな状況で利上げに踏み切れるのかと見方も強まっているようです。そんな中、元ヘッジファンドマネージャーで、資産運用アドバイザーをしている株のプロ「E氏」はアメリカの利上げについて、これまでの経緯と共に、分析を寄せています。

9月利上げの可能性は大!むしろ今、不透明なのは利上げの回数

FRB政策の今後のポイントは利上げ時期と債券回収時期です。本格的なマネー逆流は保有債券売却(市中からドル札を吸い上げる)でFRBのB/Sを削減し始めるさ来年以降ですが、利上げをするだけで対外ドル資産が米国に還流するので、グローバルのドル過剰流動性は減少します。

そして、FRBが利上げをするためには、「ゼロ金利を相当な期間維持する」という文言を外す必要がありました。今年1月のFOMCでそれは外され、昨年12月のFOMCから加えられた「利上げまで辛抱強くなれる」とい文言だけが残りました。
「利上げまで辛抱強くなれる」という文言は「相当な期間」と利上げの橋渡しです。この「辛抱強くなれる」が削除された以降は、毎回の開合で利上げが議論されるようになり、必要なデータ改善が揃った時点で利上げ決定となります。

ステップ1 (~2014年11月)「相当な期間ゼロ金利を維持」
ステップ2 (2014年12月~)「相当な期間」と「辛抱強くなれる」の併用
ステップ3 (2015年1月~)「辛抱強くなれる」
ステップ4 (2014年3月)「辛抱強くなれる」を削除
ステップ5 利上げが適切かどうかについて毎回議論⇒今年5月から今も
ステップ6 利上げ決定

現時点で、FRBが考えている利上げ判断のポイントは以下の点です。

  • 労働指標の改善が続く
  • インフレ率が2%程度まで上昇
  • 以上の事象を確認後に利上げ

インフレ率の判断材料として重要な個人消費支出(対前年同期比)は現在1%程度です。現在は原油安が足を引っ張っているために、前年同期での原油安の影響が消えるまではインフレ率の上昇は見込みにくいです。このところの原油安の再燃で原油安の影響が消える時期が後連れ気味になっています。

しかし、現在の最安値の水準が続いたとしても、年内には原油安の影響は消えるでしょうから、年内利上げは確実です。しかも、このところの要人発言を見ると、足元の原油安は一時的としていてあまり重要視していないようです。

このため、原油安のままでも利上げをする可能性が高まっています。

ところが先週発表された7月FOMC議事録によると、労働需給に関していまひとつ確信が持てないようなコメントが見受けられたので、先週の為替市場と米国債市場では9月利上げが後連れしたという見方が広まりました。

しかし、全般的な賃金上昇が利上げに必要なわけでもないので、FOMC議事録を受けて大幅に見通しが後退することは無いでしょう。実際、コンセンサスが後連れといっても僅かです。

12月利上げ派の一部が年明け以降にずれ込んだので平均すると後連れしましたが、9月利上げの見方の比率自体はほとんど変わっていません。

6月以降の要人発言を整理すると以下のようになります。

6月以降のイエレンFRB議長発言の整理

  • (変な事態が起きなければ)年内利上げ
  • 機械的に毎回利上げはしない
  • 2004年~2006年の利上げタイミングが遅れたという指摘
  • 労働市場、景気指標に対する文言をポジティブに微調整(先月FOMC~)
  • (新)なおも全般的な賃金上昇には繋がっていない(先月FOMC議事録)

以上を考慮すると、よほどの事態にならない限り、依然として9月利上げが最有力と思われます。今不透明なのは、今年の利上げが1回か2回かだけかと思われます。

現在、ドット分布(FOMCメンバーの金利予測)では年末時点でのFFレートは0.625%になっています。このためには2回の利上げが必要でしょうが、マーケットはまだそこまで織り込んではいません。

8月はFOMCが開催されないので、今後のFOMCの日程は、9月16-17日、10月27-28日、12月15-16日しかありません。従って、0.625%にする選択肢は少なくなります。現時点で私が考えている利上げ時期と9月利上げの確率は先週と同様です。

第1回目 9月FOMC(可能性95%) or 12月利上げ(可能性5%)
第2回目 12月FOMC

現時点で10月FOMC後の会見についてのアナウンスがない以上、10月FOMCで利上げが決定される可能性はないでしょう。
また、市場がまだ織り込んでいない年内複数利上げを依然として見込んでおり、先週までの見通し同様に初回25bps、2回目25~50bpsといった利上げ幅を予想していますが、これは5月雇用統計以降変えていません。

●4月雇用統計まで
10-12期 4割、1-3期 4割、 4月以降2割

●5月雇用統計以降から先週まで
7-9期 4割、10-12期4割、年明け 2割

●6月中旬以降
7-9期9割、10-12期1割

●6月雇用統計以降
7-9期85%、10-12期15%

今週のFOMC要人の発言は特に予定されていないですが、昨今の世界的な株安を受けての要人発言が出る場合はマーケットに影響を与えるので注意が必要です。

元ヘッジファンドE氏の投資情報』(2015年8月24日号)より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による

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