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私の見た「幸福な富裕者と不幸な富裕者」その決定的違い(後編) – 山崎和邦 わが追憶の投機家たち

確実に儲かる「インサイダー取引」の誘惑に打ち克てるか?

もう10年以上前の話になる。私は、当時東証1部に上場していた殖産住宅相互<1920>の破綻が確実になったことを、その前々日に知る機会があった。

そして、その時の私の立場は第三次情報受領者であり、内部情報者(インサイダー)には該当しないように思えた。つまり「オレは何も知らなかった」とうそぶける程度のお膳立ては揃っていた。

これは千載一遇のチャンスだろうか、あるいは神の仕掛けたワナだろうか。読者諸賢ならどうお考えになるだろうか。

その時、殖産住宅の株価は30円。そこにカラ売りを仕掛ければ、労せず確実に2600万円ほどを儲けられる計算まではすぐに終えた

だが、もし情報取得ルートに問題アリと判断されれば利益は没収され、かつ反市場勢力として、私はすべての証券会社で取引ができなくなるだろう。

ここで私は、得意の損得勘定をした。むろん目の前のおカネだけではなく、人生すべての面を考慮した損得勘定である。

すると、証券市場は私にとって「宝の山」だ。何百兆円というおカネが、私に持って行ってもらいたがって山積みになっている、そんな場所だ。2600万円ぽっちの利益で、反市場の烙印を押されるのではワリに合うものか

これが明らかになった。

それに、こういうときにカラ売りした口座はすべて調べ上げられる。よって、疑わしきは止めるべし、の鉄則に従って、きちんと思いとどまった。

翌々日には、殖産住宅株は事前の情報どおり破綻して株価は1円になった。30円か29円でカラ売りしておけば1円で買い決済できたであろう日だった。

あの情報を活用して一儲けした者も、あるいはいたかもしれない。

それでもなお私には「幸福な富裕者」への道のほうがよほど重要に思えたのである。

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