1トルコリラ20円を割ると強烈な損切発生も
とにかくトルコリラ円というのは、スワップ狙いのためだけにあるような通貨ペアです。もちろん架空の通貨ペアであり、実需などはまったく存在しません。
それだけに、トルコリラ円は取引きする個人投資家の実に9割以上がロングで市場に参入していますから、ひとたび何かあると、まったく流動性が枯渇してしまい、ビットコインあたりの投げ以上に厳しい事態に追い込まれてしまうのです。
すでに8月に入ってからだけでも、2円以上下落しており、20円割れはもはや目前の状況です。いつ到達してもおかしくはないところに来ています。
トルコリラ円が売られるというのは、ドルトルコリラを買って、さらにドル円を売ることで生成されます。ですから、米国の政府高官が口にしているように、ドルトルコリラが7ドルなどというレベルまでに到達した場合には、日本円での価値がどこまで下がるかは見ものの領域にさしかかってきております。
参入した日本の個人投資家は、全滅に向かっている気がしてなりません。
自主的に損切をしない日本人投資家のツケが一気に噴出
国内の個人投資家は、とにかく自主的なルールに基づいて損切をしないことで世界的に有名な存在です。
トルコリラ円のスワップ狙いのロング取引でもまったくそれが標準化されており、通貨の価格が下がっても、それぞれのレベル感からさらに買いを継続するという、かなり悪しき商慣習を継続中です。
売買をしている人間にしてみればドルコスト法に過ぎないといった説明をする人も多いわけですが、これは単なるナンピンに過ぎません。
しかもFX業者が設定する強制ロスカットのレベルまで延々と持ち続けているわけですから、始末に負えない取引になってしまっていることはもはや明確な状況です。