事実2: Qoo10の日本での取扱高(2017年)はUS$600M(約600億円)程度
Qoo10の日本での取扱高はどの程度なのでしょうか?
Qoo10グローバルでの2017年の取扱高はUS$1.2B(約1,200億円)だったとされています。そのうち日本が約50%と推測されるため、2017年1年間でのQoo10の取り扱い方は約US$600M(約600億円)になったと考えられます。
Qoo10 takes e-commerce fight to next level with bulked-up war chest
さらにQoo10を運営するジオシス合同会社から以下のような発表もなされています。
*「Qoo10」の2017年流通総額は4割以上の増加、出店者数は1.1万店舗(インプレス/ネットショップ担当者フォーラム)
日本の主要なeコマースプレイヤーの取扱高を整理すると以下のようになります。
楽天(国内EC) 3.4兆円(YoY +13.6%)
ヤフー(EC全体) 2.1兆円(YoY +13.7%)
メルカリ 3,202億円(YoY +54.3%)
ZOZO 2,705億円(YoY +27.6%)
※楽天は2017年の1年間、ヤフー、メルカリ、ZOZOは、2018年3月期の年間取扱高。
これを見ると、Qoo10はメルカリやZOZOの約1/5程度という規模になります。しかし前年同期比の成長率を見ると多くの既存プレイヤーより早く成長しているのがご理解いただけると思います。
余談になりますが、マーケットプレイス型のEコマースの会社の場合、テイクレートはおよそ10%程度になることが多く、成長率にもよりますが時価総額は取扱高の1倍程度になるのが一般的ではないかと思います。
そういう意味では、YoY+40%というペースで急成長している事業を、取扱高の約1倍で買収できたというのはeBayにとっては決して悪い買収ではないのではと思いました。
事実3: 会員数は960万人、年間購入平均は6,000円強
年間の取扱高が約600億円であるということは分かりましたので、もう少し詳細なKPIも見ておきましょう。
会員女性比率: 70%
月間ページビュー数: 3億4,000万PV
出品数: 1,140万点
アクセスデバイスの比率: モバイル・アプリ経由が83%
出店者数: 1万1,000店(1年前から約1000店増、2017年は大手企業の出店が多かった)
フルフィルメントサービス発送件数: 前年同期比2.5倍以上
会員が約1,000万人もいる点と、モバイル比率が80%を超えている点、そして出展店舗が1.1万店あると言う事実を見る限り、モデルとしては楽天やヤフーショッピングに近いBtoBtoC型のマーケットプレイスになっていると言えるでしょう。
また、人気ジャンルに関しては
専門グループを作り、エンタメやベビー・キッズジャンルにも注力。
エンタメジャンルの取扱点数の割合は2017年12月末時点で約5%。
という記載があります。こちらも楽天市場やヤフーショッピングに近いと言うか、直接競合するアプローチになっていると感じます。
簡単にユニットエコノミクスを計算してみます。
960万人の会員から約600億円の取扱高が生まれていることになりますので、年間購入平均は6,000円強という計算です。
1.1万店舗から約600億円の取扱高が生まれていることになりますので、1店舗あたりの年間売上は約540万円という計算になります。
会員あたりの購入額と店舗あたりの売上は、まだまだ楽天市場やヤフーショッピングに比べると小さくも見えますが、逆に言うとまだまだ成長余地があるとも言えます。
※参考1: 「Qoo10」の2017年流通総額は4割以上の増加、出店者数は1.1万店舗
※参考2: eBayが買収する「ジオシス」「Qoo10」はどんな会社? 事業の規模は?
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