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9月7日週も一喜一憂の展開が継続か?そんな時は低位株の打診売買で、相場の流れに乗るのも有効

日経平均は、雇用統計などイベント前に大きくポジション調整

週中は買い直される場面もあったが売り優勢の展開に

今週の株式相場は、週央安から持ち直してきた先週後半の流れから、週明け月曜日には戻り売りに押される立ち上がり。火曜日も売り圧力を強め、水曜日も見直し買いから軟化。木曜日は買い直されたものの、反応は鈍く、金曜日も軟調に推移するなど、再び売り圧力を強めています。

日経平均株価は、先週末の1万9100円台から、月曜日に1万8800円台、火曜日に1万8100円台、水曜日に1万8000円台と週前半で約1000円幅の調整。木曜日に1万8100円台に一旦持ち直したものの、金曜日には大台1万8000円を割り込んでおり、水準を切り下げてきました。

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日経平均株価チャート 2015年9月4日終値(クリックすると拡大します)

 

8月24日週から9月4日までの流れをおさらい

先週は、週前半の世界連鎖株安による投げ売りから、中国中銀の政策対応、米国での利上げ観測後退、リバウンド期待の高まりとともに後半から持ち直しの動きが見られていました。

ただ、週明け月曜日には先週後半の反転からの利益確定、戻り売りが主導。7月の鉱工業生産速報値が前月比0.6%低下の97.7と、市場予想を下回ったことも嫌気され、前営業日に奪回した大台1万9000円を割り込む流れに。先週末比245.84円安の1万8890.48円と反落着地となりました。

さらに、この日の米国市場も、中国、欧州株安や先週のFRBのフィッシャー副議長の発言を受けて、9月利上げへの警戒感も燻り、軟調に推移。ダウは先週末比114.98ドル安の1万6528.03ドルと下落。為替相場でも円高推移となり、外部要因悪化を受けて火曜日の日経平均株価は暴落。火曜日に発表された中国の製造業PMIは49.7で、前月の50から低下し3年ぶりの低水準となったことから、中国の景気減速懸念で上海指数が安く始まると、NYダウ先物などの下げも手伝って下げ幅を拡大。リスク回避の動きが強まり、日経平均株価は前日比724.79円安の1万8165.69円と大幅に続落しました。

水曜日も中国経済指標悪化を嫌気した米国市場で株安が進行。米国の8月のISM製造業景況指数が市場予想を下回ったほか、原油価格も下落して、ダウも前日比469.68ドル安の1万6058.35ドルと大きく下落。さらに1ドル120円割れの円高推移と外部要因悪化を受けて東京市場でも売り優勢となるも、中国経済指標は前営業日取引時間中で確認済み。場中の円安推移、値頃妙味もあって見直し買いを誘いましたが、上海市場が4%を超える下落で始まると上げ幅を縮小、上海市場の午後の取引も振るわず、終わってみれば前日比70.29円安の1万8095.40円と戻り売りに押されました。

ただ、木曜日にはADP雇用統計、景気拡大を示したベージュブックを確認した米国が反発。ダウは前日比293.03ドル高の1万6351.38ドルとなり、円安推移の外部要因改善を受けて、東京株式市場も見直される展開。ただ、ECB理事会や米雇用統計など重要イベント、中国株休場で様子見ムードを強め、日経平均も前日比86.99円高の1万8182.39円と上げ幅を縮め、買い気の鈍さが目立ちました。

金曜日には買い先行の立ち上がりもECB理事会でドラギ総裁が金融緩和姿勢を示したことでユーロが急落。米国市場でも新規失業保険申請件数や8月のISM非製造業景況指数から買い先行の立ち上がりとなったものの、雇用統計が警戒されていたことで次第に売り圧力が強まり上げ幅を縮小。ダウは前日比23.38ドル高の1万6374.76ドルと小幅続伸しましたが、東京市場は欧州緩和姿勢でユーロが急落。米国市場も雇用統計睨みで手仕舞いが出るなか、リスク回避の円高進展とともに手仕舞い売りが加速し、日経平均は急反落。

米雇用統計、G20財務省・中銀総裁会議に来週週明けの米国市場休場など重要イベントを前にポジションを手仕舞う動きが加速し、日経平均株価は一時500円を超える下げ幅に。取引時間中の安値では、先月8月26日の安値1万7714.30円を割り込む場面も見られました。終値でも前日比390.23円安の1万7,792.16円と、前営業日にも上値を抑えた5日移動平均線(1万8225.22円)とともに水準を切り下げています。

9/7週からは値動きの大きい低売買単価銘柄に注目

先週に続いて不安定な相場環境が続いていますが、変動要因となっている外部環境が落ち着きを取り戻すまでは、重要イベントの米雇用統計や米国市場休場、取引再開の中国市場の反応によって一喜一憂する展開が続くのではないでしょうか。

日経平均株価は先月安値を割り込む場面もあり、下値警戒感が強まっていますが、先月26日、今月2日と持ち直した経緯もあり、値頃感から下値拾いの買いを誘う水準となっています。週明けは休場明けの中国市場が開くうえに米国市場が休場となるため、リスク回避の動きを強めるのは致し方ないところでしょう。買いが入りにくい局面ではありますが、日経平均株価は下値メドとなる1万7700円レベルを意識しながら、外部要因の変化とともに水準を探る動きが続くことになります。

イベント結果によれば、相場の「底割れ」の可能性もありますが、基本線ではイベント前にリスク回避に傾けば、イベント消化とともに見直しを誘うところ。株価指数の水準でも反転が確認された経緯もあり、ここは打診売買で相場の流れに付くことを意識するべきでしょう。

相場が荒れた金曜日の売買代金上位銘柄では、外部要因に左右されやすい中核銘柄、キーエンス、村田製作所、任天堂など取引に資金が拘束される値嵩株がポジション調整によって苦戦しています。

まだ相場の先行きが不透明な今は、株式市場で材料視されるテーマ、投資資金の集まりやすいバイオ関連、低位株や仕手系色の強い銘柄などを見ていきたいところ。そこで来週は値上がり率上位ランク常連の「仕手系・低位・バイオ」など「値動きの大きい低売買単価銘柄」に注目してみてください。

このような局面では、相場調整とともに大きく売り込まれていた低位株など、リスク限定で取り組める投資対象の打診売買が有効でしょう。低位株や仕手系色の強い銘柄などは、捉え処がなく、手掛けるにあたって癖の強い銘柄タイプに映りますが、安易に中核銘柄を手掛けて全体相場に振り回されるよりも、値動きを重視した短期売買の資金集中が期待できる銘柄群に狙いを定め、適切にリスクを取ればハイリターンが期待できる局面ではないでしょうか。

低売買単価銘柄であれば、相場が下押ししたとしても損失が限られますし、売買単価低下を狙った「買い下がり」ができ、再浮上して利が乗れば「買い増し」や「利食い」を少量から実行できるため、イベント通過待ちの局面でこそ狙える投資対象とも言えます。

さらに、今回の調整で投資余力を減らした個人投資家も多いと推測されるため、低売買単価で手掛けられる銘柄には見直しも入りやすく、打診売買の対象としても取引メリットが大きいと思われます。

プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』(2015年9月4日号)より一部抜粋

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