fbpx

「ディフェンシブ銘柄」の値動きで考える、2015年これからの日本株式市場

リスク別ポートフォリオの運用成果分析

これらのポートフォリオの2015年の実際の運用成果はどうだったでしょう。

下図は各ポートフォリオの、設定期(2014年末)から直近の2015年9月までの月次終値ベースの評価額を、基準期を100とした指数で示したものです。

各ポートフォリオの運用成果(月次終値ベース、2014年12月末=100) ─2014年12月~2015年9月─(2015年9月は8日終値)

各ポートフォリオの運用成果(月次終値ベース、2014年12月末=100) ─2014年12月~2015年9月─(2015年9月は8日終値)

日経平均は紺色、高ベータ・ポートフォリオは赤、中ベータ・ポートフォリオは緑、低ベータ・ポートフォリオは紫の各線で示されます。

グラフ中央の横線はスタート期の資産価値の100を示します。日経平均は直近時点でほぼスタート期と同じ水準に戻っています。

カッコ内の数字はピーク時の7月末と直近の9月8日時点の各ポートフォリオの評価額と日経平均の値を示しています。

7月のピーク時の低ベータ・ポートフォリオの評価額は126.7と高ベータ・ポートフォリオの110.4、中ベータ・ポートフォリオの108.0に比べて突出して高く、かつ、ただひとつ日経平均を上回っていることから、年初からピークまで相場を引き上げたのが低ベータ・ポートフォリオであることが分かります。

対象銘柄の内、この間の株価上昇率が高い銘柄を見ると、花王、武田、全日空、イオンなど低ベータの典型的なディフェンシブ銘柄が並びます。

一方、ピークから直近時点までの下落局面の各ポートフォリオの動きをみると、日経平均の12%の下落に対して高ベータ・ポートフォリオと低ベータ・ポートフォリオがより大きい17%の下落、中ベータ・ポートフォリオは日経平均と同じ12%となっています。

ベータ値が1程度の銘柄はほぼ本来の特性を維持し、低ベータ銘柄は上昇・下降の両局面で本来高ベータ銘柄が持つ株価の変動を見せ、高ベータ銘柄はそのあおりを食って上昇局面で低ベータ銘柄に押しだされた形で低迷した、と言えます。

「ディフェンシブの値動きがいつ落ち着くか」に注目

投資の原点はリスクが高い銘柄については高いリターンを、低いリスクの銘柄に対してはそれに見合うそこそこのリターンを期待することです。

この意味で、業態の特性から本来、リスクが低い銘柄が相場をリードして引き上げ、また引き下げた2015年の相場の姿はやはり特異な形と言えます。

波乱を抱えた2015年の不安定な相場の背景にこうした異質な相場形成があったことは否めません。

ところで、20015年の荒れ模様の相場が足元、“いってこい”の振り出しに戻ったところでこれから先の相場展開が注目されます。

今後、業績が底堅く推移する中で、リスクの低い保守的銘柄の値動きが落ち着き、リスクを負担して高いリターンを目指す銘柄が相場をリードする本来の形に進めば相場は2015年の不安定さから変わると思われますがいかがでしょう。

今後の高ベータ・ポートフォリオ、中ベータ・ポートフォリオ、低ベータ・ポートフォリオの運用成果を折に触れて見ていきたいと思います。

筆者プロフィール:日暮昭
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

【関連】波乱局面で真価を発揮する「リスク最小ポートフォリオ」の検証

1 2

投資の視点』(2015年9月10日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

投資の視点

[無料 週刊]
「投資の視点」はより実践的な株式投資の力をつけるための講座に衣替えしました。真に投資の力をつけるには以下の3つの要件が必須です。(1)中立の立場(2)実務の専門家(講演の専門家ではない)(3)もれのない講座体系大手経済新聞社OBを中心に、ファンドマネージャー、チャーチスト、財務分析とポートフォリオ運用の専門家が集結してこれらの要件を満たす講座を立ち上げました。講座は「資産運用のブティック街」として、市場の切り口、テクニカル分析、企業の財務、ポートフォリオ戦略―の4つのテーマに整理・提供いたします。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらTwitterでMONEY VOICEをフォロー