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リーマン・ショックから10年、次の暴落は前回の比ではない全資本市場バブル崩壊か=今市太郎

「中央銀行主導のバブル相場」が崩壊したら…

足元の相場は、最小の市場参加者によって行われたあらゆる資本市場を巻き込む中央銀行主導バブル相場です。

果たしてこれが崩壊することになった場合、誰が救世主になるのかという問題も気になるところです。

正直なところ、中銀バブルの崩壊は中銀自ら救済しない限りは、誰にも再生不能ではないかとも思われます。

果たして救済策というものが正しく履行できるのか。かなりの不安が残ります。

暴落を知らないミレニアル世代とコンピュータ取引が市場をけん引

2008年のサブプライムローンに端を発するバブル崩壊と、足元の状況で大きな違いがあるとすれば、市場のプレーヤーが劇的に変化しているということが挙げられます。

まず、ここ10年近くまったく暴落を知らず、2008年の金融危機すら経験していない米国のミレニアル世代は、相場が下がれば押し目とばかり買い向かい、とにかく太く短く生きて年末にどっさりボーナスを得ることだけに集中しています。

仮に暴落が起きてもどうせ会社の金の損失に過ぎず、職を失っても暴落で刑事処罰の対象になることはないと相当に割り切って相場に向き合っていますから、高値警戒感といったものは一切持ち合わせておらず、行けるところまで行こうとしている点が非常に不気味な存在といえます。

しかも、それに輪をかける存在となっているのがAIを実装したアルゴリズムによる売買です。

こちらも、人間が行う裁量取引であれば高値から買いあがる警戒感といったものが少なからず出るはずなのに、テクニカル的にチャートに買いシグナルが出れば猛然とトレンドフォローで買いあがるという力を持っています。

しかし、この手の機械的な売買は相場が反転して大きく下げ始めますと、今度は下げのトレンドにもついていくことになりますから、想像以上に相場の下落の加速に寄与することになり、フラッシュクラッシュ的な暴落に加担するリスクが高まります。

すでに今年2月にも、同様の流動性パニック相場が米株市場で垣間見られました。現状のマーケットで暴落が起きれば、サーキットブレーカーが発動されても、かなり激しい下落が広範囲の資本市場で見られるという恐ろしい場面に遭遇することになるのではないでしょうか。

Next: 暴落で儲けるのは至難の業。正確なタイミングは誰にもわからない

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