今回は「トルコリラ・ショック」特集をお送りします。この1ヶ月で、大きく相場が動いているトルコリラ。実際、他にも同じような属性を持った国や通貨は多く存在しています。これらの投資を検討する際には、どのような点に注意すればいいのか?また、どういったリスクがあるのか?といったことを中心にお伝えしていければと思います。(俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編)
※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2018年9月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:俣野成敏(またのなるとし)
30歳の時に遭遇したリストラと同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任する。2012年の独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資活動の傍ら、マネープランの実現にコミットしたマネースクールを共催。自らの経験を書にした『プロフェッショナルサラリーマン』及び『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』のシリーズが、それぞれ12万部を超えるベストセラーとなる。近著では、『トップ1%の人だけが知っている』(日本経済新聞出版社)のシリーズが10万部超えに。著作累計は44万部。ビジネス誌の掲載実績多数。『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等のオンラインメディアにも数多く寄稿。『まぐまぐ大賞(MONEY VOICE賞)』を3年連続で受賞している。
同じリスクを孕んだ通貨・商品は山程ある。どうやって回避する?
国民に頼るトルコ政府
トルコの通貨リラが、2018年の年初から約4割下落し、そのうち8月だけで2割下落したことで、「トルコリラ・ショック」と呼ばれました。リラの急激な下落が、日本を始めとしたアジア地域の株安を招き、新興国通貨が影響を受ける事態になっています。
それに対してトルコが採った対応とは、国民に自国通貨の防衛を促すこと。同国のエルドアン大統領は、国民の愛国心に訴えかけ、「通貨を買い支えてくれるように」と国民に呼びかけました。
※参考:トルコ国民、通貨リラ買い支え エルドアン氏要請で – 日本経済新聞(2018年8月21日配信)
もし仮に、安倍総理が私たち国民に日本円を買い支えてくれるように呼びかけたとしたら、いったいどれほどの人がそれに応えるでしょうか。
とはいえ、私たちも自分の意思とは関係なしに、銀行に預けた預貯金を日本国債の購入原資として使われてきた、という背景があります。日本人が貯金好きなのは有名な話ですが、それも元をたどれば、戦前戦後に政府が行ったプロパガンダに行き着きます。要は、日本人は「政府によって貯金好きにさせられた」というわけです。
「新興国通貨」への投資は危険なのか?
私が現在、金融の専門家とともに運営しているマネースクールには、日々、お金に関する相談が舞い込みます。中でも最近、多かったのがトルコの通貨リラについてでした。
そこで、今回は「トルコリラ・ショック」特集をお送りします。この1ヶ月で、大きく相場が動いているトルコリラ。実際、他にも同じような属性を持った国や通貨は多く存在しています。
これらの投資を検討する際には、どのような点に注意すればいいのか?また、どういったリスクがあるのか?といったことを中心にお伝えしていければと思います。
1. その投資は、本当に大丈夫なのか?
まずはトルコリラ・ショックが発生した背景を確認しておきたいと思います。投資対象を知らずに投資することほど、危険なことはありません。
トルコの正式名称はトルコ共和国。面積は約78万平方キロと日本の2倍ほどの大きさで、人口は約8000万人。首都はアンカラです。地理的に非常に重要な場所に位置しており、ちょうどヨーロッパとアジアが交差する地点にあります。