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スズキがシェア50%を誇るインド市場で、まもなく電気自動車戦争が始まる

中国企業が「インド国産EV(電気自動車)」に名乗り

その自動車産業でニュースが飛びこんできました。インド国内調達率75%超のSUVタイプ電気自動車が、2020年第2四半期にローンチされるとのこと。

中国企業が、中国のお金と中国の部品企業をインド国内へ持ってきて、元GMの工場を取得して製造するというのです。すでにインドへ500億ルピー(約750億円)の投資をしており、インド国内の電気自動車市場を創造しようと目論んでいます。

これは、インド政府の掲げる「Make in India」に呼応して、中国企業が進出した大きな事例と言えます。歴史的に中国とインドは仲が良くありませんが、経済的結びつきは近年非常に強固になってきています。

テスラ、TATAも動き始めた

なお、イーロンマスク率いるテスラは、2019年12月23日にモデル3(480万ルピー:720万円)と、モデルX(550万ルピー:825万円)をインドでデリバリーするとすでに発表しています。

2020年はインドの電気自動車元年になるかもしれません。

ただし、インドの電気インフラは未だ万全とは言えず、燃料たる充電ステーション網を構築していくのにはまだ時間がかかるでしょう。また、多くの村落でまだ電気が来ていないので、遠乗りと言うよりは都市内での移動が中心となるでしょう。

一方、インド最大の財閥TATAは、傘下に英ランドローバーとジャガーを持っています。そのTATA自動車の新型SUVが、ランドローバーのシャーシーや技術を導入したことで話題になっています。

ランドローバーといえば、イギリス発祥のオフロードブランドです。堅牢で本格的な悪路走破性能と、高級な内装などで世界中にファンが多いのですが、それが関連会社のシェア4位のTATA自動車へ技術供与というシナジーを発揮したことになります。

ブランドの最高級車レンジローバーは2000万~4000万ルピー(3000万~6000万円)ですが、TATAの新型SUVは140万~180万ルピー(210万~270万円)ですので、およそ14~20分の1の価格でエッセンスを味わえることになります。

ガソリン車ですが、インドでのSUV人気を背景に今後が楽しみです。買収から10年、やっと具体的な効果が出てきました。

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image by:singh_lens / Shutterstock.com
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億の近道』(2018年10月17日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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