判断がつかないドイツ銀行の安否
もちろん、金額が巨額だからすべてリスキーであるというほど敬虔に判断することはできません。
日米欧の株価が大きく下落し、中国の金融市場もかなり様子がおかしく、コモディティ市場も相当変調をきたしている中にあって、まだ債券やジャンク債などの市場はそれほど危機的な状況には至っていません。
しかし、ドイツ銀行が無事なのかどうかは、かなり判断しにくい状況に陥っていることは確かです。
ECBはコメルツ銀行との合併を検討か
ECBの銀行監査委員会は、ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併の可能性について、どうやら本格的に協議をしているようです。
確かに合併により増資の可能性が高まるものの、損失が減るわけではありませんから、本質的な問題の解決には繋がるとは思えません。
とくに足元の金融市場の状況悪化が、一気に同行の経営破綻を招くことにならないかどうか。きわめて心配されるところです。
ドイツ政府の支援も期待できない
ドイツではメルケル首相が10月に行われた2つの州議会選挙で歴史的な大敗を喫したことから、CDUの党首を辞任し、首相職には2021年まで留まる考えを発表しています。
これでレームダック化することは間違いなく、果たしてドイツ銀行に急激な経営危機が顕在化した場合に乗り切ることができるのかどうかにも、大きな不安がでてくることになりそうです。