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どうする安倍総理。米中険悪化での「どっち付かず外交」で日本は窮地に=斎藤満

中国が日本に急接近

そんなおり、安倍総理は25日に訪中し、李克強首相、習近平国家主席と相次いで会談し、日中の親密な関係を訴え、中国からの金融面、イノベーション面での協力要請に答えました。

実際、日銀は26日に中国人民銀行との間に3.4兆円規模の通貨スワップを締結、表向きは邦銀への人民元の流動性確保策としていますが、実態は中国が金融危機に陥った際の支援策となります。

日本の財界から中国ビジネスの拡大、とりわけ「一帯一路」への参画要望もあり、技術供与の面でも協力を約束しました。しかし、この辺は米国が戦略的に中国が将来米国を脅かす存在にならないよう、いまから中国をけん制し、意図的にたたいている分野でもあります。中国としては、米国の技術を使えないなら、日本の技術に期待しようということになります。

また、FRBの利上げとドル高は中国の債務問題を悪化させ、資本が中国から流出し、金融面で意図せざるひっ迫をもたらしています。その点、日銀の通貨スワップによる協力が、米国の中国攻撃を減殺する面があります。

米国が中国をたたいているそばから、日本が中国を救済する形になっています。

中国としては、米国との厳しい貿易戦争・通商交渉で経済が疲弊する分を、なんとか日本に穴埋めして欲しいとの思いがあり、同時に日米を切り離す戦略もあって日本に近づいてきている面があります。中国はしたたかです。

日本の難しい立場

日本としては、最近の米国による厳しい攻勢をうけ、対米交渉で苦戦を余儀なくされているなかで、米国外に市場を拡大し、友人を増やしたい面があるのも確かでした。米国にばかり頼らずに北朝鮮の拉致問題を進め、中国の東シナ海での脅威を軽減するための取引も必要でした。そしてインドのモディ首相を総理の別荘に招くなどして厚遇して、対中国のけん制役も期待しています。

しかし、こうした日本の事情を米国が理解するとは限りません。むしろ中国戦略を日本が台無しにしていると見られるリスクがあります。

実際、日米2国間交渉が始まっていますが、交渉期間中は自動車への高率関税は留保する、ということになっていますが、米国はすでに自動車への関税賦課の準備をしていて、農業の開放などが不十分と見れば、いつでも交渉打ち切りを宣言して関税賦課にも出られます。

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