ビジネス文書における「口説き方」のルール
そして、もう1つ欠かせない点があります。それは、相手にこちらの気持ちを伝え、相手の心をヒットするような要素。「心」です。
これは相手の心を打つ「心意気」とでも呼べる側面で、言い換えれば「説得力」の問題です。
たいがい、ここの部分でいい文章と悪い文章に分かれます。相手の心をつかもうとすることばかり考えると、先の4つのキーワード(簡・明・短・薄)からはずれた文章になってしまうからです。
仕事の文章では、心を打つ必要はありません。相手が知りたいこと、相手が気がついていないことを明確に知らせることが大事です。
つまり、美辞麗句を並べ立てたり、相手に対するおべんちゃらを言ったりすることなどではなく、お互いの立場を尊重した公正な内容をベースとしつつ、自己の考えや主張を気持ちを込めて訴えることです。
これまで自分が書いてきた文章(文書)を見直してみましょう。
誤解される文章、意味がわからない文章、誇張して内容がない文章、それら悪い文章は、たいてい、先の4つのキーワード(簡・明・短・薄)からはずれていることがわかるはずです。
相手がどんな人物なのかよく見きわめて
このことを踏まえた上で、説得するための工夫をしましょう。相手がどのような立場や地位にあるか、また、見識を備えている人物かを見きわめ、胸元めがけて気合いのこもった速球をきちんと投げ込むことができるかどうかなのです。
『久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』(2015年11月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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文章と箇条書きを中心とするコミュニケーションは、組織の生産性を3割ほどもダウンさせているのではないか。こういった観点から私は過去20年にわたって、「図解コミュニケーション」という考え方を提唱して活動を続けてまいりました。図解コミュニケーションの核心は、理解力や伝達力の向上以上に「考える力」の獲得にあります。企画力、構想力、思考力を鍛えることが個人にとっても組織にとっても喫緊の課題です。受講者との交流を大事にしながら、図解コミュニケーションの達人を数多く輩出していく場にしたいと念願しています。