【コンビニは超多店舗化】
食品と飲料が主力のコンビニは、総計5.5万店。食品スーパーの3倍の店舗数があります。
・1位セブンイレブン 2万437店(1店売上2.3億円)
・2位ファミリーマート 1万5,469店(1店売上1.5億円)
・3位ローソン 1万4,289店(18年7月:1店売上1.6億円)
(注1)セブンイレブンは海外に、日本国内の2倍以上の4万6,780店を擁しています。セブンイレブンの1店平均売上はローソンの53%増し、ファミリーマートの44%増しです。
(注2)立地、売り場面積、商品数、店舗のパートは同じ技術なのに、異業種のように売上が違います。コンビニ比較での、顧客にとっての商品価値の違いが、1店の売上の違いをもたらしています。セブンイレブンは、他よりはるかに、開発新商品の投入数が多いのです。
消費者が買う衣・食・住・エレクトロニクスの中で、もっとも需要の多いわが国の食品で、なぜチェーン店の規模が平均30店と小さいのか?
疑問をもつのは普通のことでしょう。ところが、わが国の食品スーパー側は問いへの回答をもっていないように思います。
端的に答えます。
コンビニの生鮮である加工食品(総菜・弁当)は、フランチャイズの商品本部が開発した商品です。商品価値の高い商品の製造は、弁当でも車と同じように、1品目の大規模な生産数が有利です。
1品目当たりの製造数が商品価値での競争優位を作るので、店舗数の多いほうがさらに店舗を増やし、トップのセブンイレブンは2万店以上になったのです。
わが国のSMはどうか?
グロサリー(乾物食品と飲料)はメーカー製です。小売用語ではNB(全国的ではなくても、ナショナルブランド)と言っています。
【卸売業の小口バラ物流網】
わが国では、NBの商品を小分けにして、全国の隅から隅まで小口でもバラ配送してくれる卸売りの物流網が発達しています。
(注)米国のSMでは、グロサリーでも、小売のPB開発が主力です。
NB商品の卸売業がもっとも発達しているのは、日本です。米国では、店舗がPB(プライベートブランド)の商品開発をするチェーンストアなので、卸売業が介在する余地が無くなってきました。
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