先日、Appleがこれまでとは方向性の違った新サービスをスタートすると発表しました。これをGoogleが追随できないと考えられるいくつかの理由を解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年5月6日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
Appleがクレジットカードや動画配信や新サービスをスタート
Q. Appleが「サービス会社化」すると一番困るのはGoogleなのはナゼ?
A. スマホのOSを提供するライバル会社ではあるけれど、Googleは既存事業のしがらみがあるので、Appleが今回発表したようなサービスを提供できないから。
先日、Appleが大々的な新サービスが発表会を行いました。いつものAppleとは異なり、ハードウェアでもソフトウェアでもなく、サービス中心の発表会だったことがとても印象的でした。
発表会の直前にハードウェアの新バージョン発表を予告リリースなしで行い、多くの人が驚きました。
さらに発表会そのものがサービス中心であったことが、Appleがハードウェア会社としてだけではなくサービス会社に生まれ変わろうとしている印象を強く与えました。
今日の記事では、Appleのサービスがどのように業界に影響を与えるのかを少し考えてみたいと思います。
個人的に一番強く感じていることを一言でまとめると、今回のAppleの「サービス会社化」の意思表示は、iOSがAndroidに勝つ唯一の方法なのかもしれません、ということです。
Google(Android陣営)から見れば、一番痛いところを突かれた、というのが正直な感想です。
今回発表されたサービスは、以下の4つの新しいサービスです。
今夏開始予定の自社発行のクレジットカード「Apple Card」、現時点で既にアメリカでローンチしている定額制ニュースサービス「Apple News Plus」、今秋開始予定のNetflixのような定額制動画視聴サービスで、自社コンテンツも制作予定の「Apple TV+」、さらに同じく今秋開始予定の新作ゲームだけを扱う定額制ゲームサイトの「Apple Arcade」
このうち3つのサービスを、それぞれ「Android陣営との競争」という観点で見てみたいと思います。