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イオンモールが最高益更新も、なぜか株価低迷…その理由はどこにあるのか?=栫井駿介

「買い物+α」の魅力を出せるか?

それでも、そう簡単にいかないのが事業の難しいところです。

国内はこの5年の間に大きく伸びました。これらが古くなってくれば、客足が遠のく可能性は否定できず、それを引き止めるためにリニューアルすればコストが掛かります。商業系不動産はこの舵取りが難しいのです。

また、買い物をするだけならインターネットの台頭が著しいです。わざわざ足を運んでもらうには、ただ買うだけではない「楽しさ」を打ち出す必要があります。

イオンモールは確かに子供用トイレやイベントが充実していて、私を含むファミリー層には大助かりの施設です。しかし、入っているお店は結局のところ寄せ集めですから、これと言った特徴もありません。

長期的な成長のためには、単なる利便性以外に、顧客にとって中毒性のあるものを見いだせなければならないでしょう。これは国内に限らず、リアル店舗を飛び越えてネットが広がる新興国でも同様です。

株価に関しては、PBR1倍が底値になりつつあり、下落リスクは小さいと考えます。当面の間は業績も伸び続ける可能性が高そうです。悪くない投資だとは思います。

ただ、長期的に見れば陳腐化リスクも小さくなく、ビジネスモデルの特性上劇的に伸びるわけではありません。投資資金をより効率的に使うには、より期待値の高い銘柄を探したい気がします。

10月に予定される消費増税は、長期的な成長を見極める試金石になるかも知れません。


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image by: tristan tan / Shutterstock.com

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年5月10日号)より
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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