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日本を捨てたい?狭き門になった海外移住の最新事情と税金逃れの実態=俣野成敏

気をつけたい詐欺の手口

気をつけたい詐欺の手口(文言)とは、以下のようなものです。

  1. 「フィリピンに投資を行うことで、代わりにビザがもらえます」
  2. 資金が不足し、インフラが整っていない当国では、こうした目的のもとにビザが発給されているのは確かですが、いくつかの条件があります。

  3. 「フィリピンと特別なコネを持つ我が社でのみ取得が可能」
  4. 「わが社は、特別待遇が得られる日本で唯一の代理店です」
  5. 発展途上国の当国では、確かに個人的なコネがモノを言う場合はあります。とはいえ、国が「特定の企業1社だけを対象にビザを発給する」というのは、考えにくいのではないでしょうか。

  6. 「短い滞在日数で取得でき、更新も簡単」
  7. 特に時間的な制約のある、サラリーマンの方を意識した謳い文句?

  8. 「このビザさえあれば、就労や事業を行うことも可能」
  9. 投資家ビザの方が就労やビジネスを行う際、一般的には就労・労働許可が別に必要。

最初にお伝えしたように、現状、世界的にも永住権の取得が難しくなっています。

そのような中にあって、「簡単」「安い」というのは、いわば時代に逆行しているわけですから、少なくとも「相場に比べて、簡単に安く取得できる正当な理由があるかどうか?」を確認するべきでしょう。

また、その制度が永続的に続くものなのかどうか、政権等が代わってもビザを維持できるのか、といった点もチェックしておくようにしましょう。

「海外に住めば税金がかからない」は本当か?

Q2:日本の非居住者になることで、税金はどうなる?

A:それでは、続いては海外移住に伴う税金の扱いについて、ざっとお伝えしたいと思います。

もともと、日本の課税方式は“属地主義”という方式を採っています。属地主義とは、「生活の基盤をどこに置いているか?」で課税する場所を決める方式です。

要は、働いて生活の糧を得ているところで課税を受けよう、という考え方なので、基本的に国籍は関係なく、日本に生活の本拠がある人は、日本で課税されることになります。

属地主義の反対が“属人主義”と言い、住んでいる場所に関係なく、国籍を有する国に税金を納める、という考え方です。アメリカなどが、この属人主義を採用しています。

滞在地が2カ国以上にわたっている人に関して、一般的には二重課税を防止するために租税条約が結ばれていますが、どこで納税すべきか、相互協議が行われる場合もあります。

日本の所得税法では、個人の納税義務者を「居住者」と「非居住者」に分けており、日本国内に住所があるか、もしくは1年以上住む場所を有している人のことを居住者といい、居住者以外の個人を非居住者と規定しています。

居住者のうち、日本国籍がない方で、過去10年のうち、居住者であった期間が計5年以下の人は非永住者として扱われます。非永住者は、国外源泉所得以外の所得に課税されます。国外源泉所得のうち、日本で受け取ったものについては課税対象となります。

非居住者の課税範囲は、「国内源泉所得に限る」とされています。居住者(非永住者以外)は、日本国内外を問わず、発生したすべての所得に対して課税されます。
※参考:非居住者に対する課税 – 国税庁

「税金逃れ」は困難

質問者のおっしゃる通り、複数の国にまたがって生活し、日本での滞在日数を数えながら暮らしている人は確かにいます。一般的には、1年のうち、日本に滞在している期間が半分以下かどうかが1つの目安になる、と言われています。

しかし、実際には「日本滞在が何日以下であれば、居住者でないと認められる」といった記述はありません。

国税庁のHPによれば、滞在地が2か国以上にわたっている人の場合、その人の住所がどこにあるのかを特定する際、判定の基準となるのが「住居・職業・資産の所在・親族の居住状況・国籍等」で、「これらをもとに客観的事実に基づいて判断される」とあります。

ですから、たとえ外国での滞在が1年の半分(183日)以上に渡ったとしても、その人の生活の本拠が日本にあると判断されれば、日本の居住者と見なされる場合がある、ということになります。

つまり、たとえば「日本に住む家がない」「海外に家がある」「日本での収入は少なく、海外では人並みにある」、といった感じに、生活の基盤となる住居の有無や収入に関して、日本と海外の比重がどうなっているのか?というのが、判断の目安とされます。

通常は、一番長く滞在しているところが本拠と見なされるのが一般的ですが、税金逃れを防止する意味で、このようになっているのでしょう。

Next: 外国の居住権を持っても、日本の税金からは逃れられない?

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