値上がりコインはたくさん
代表的な値上がりコインとして「自動車ダラー」をとり上げましたが、中国には他にも同様の値上がリコインがたくさんあります。
挙げるときりがありませんが、たとえば清朝末期1903年に奉天省で発行された「光緒元宝」とよばれる大型銀貨です。
一昨年(2017年)に僕はお客様に提案し、このコインをオークションで代行入札したのですが、当時の落札価格は7,500ドルでした。同じ銘柄が先日オークションに出てきましたが、当時の4倍以上の3万2,000ドルで落札されました。なお、状態はどちらもAU55(極美品)です。
そのお客さんにもたいそう喜んでいただきましたし、僕も嬉しかったです。もちろん手放すお気持ちはないとのことでしたが、当然だと思います。
なぜ中国コインは急騰した?
さて、ここからが大切なお話です。
なぜ中国コインはこのように急騰したのでしょうか。
僕は2つ理由があると思います。
<急騰の理由その1:富裕層の資金がコイン市場に流れている>
まず、中国経済の構造的な問題です。
たしかに中国の経済成長は鈍化していますが、それでも先進諸国と比べれば十分に高成長です。
さらに中国の場合、日本と違って一部の富裕層に富が集中する傾向が見られます。経済成長率6%半ば(公称)という状況の中でも、相変わらず富裕層の仲間入りする人たちが大勢いるはずです。
言い換えれば、これは富裕層の拡大で、彼らのおカネはコインに流れているに違いありません。
しかも中国人は自国通貨に対する信頼感は希薄だとよく言われ、これも人民元ではない実物資産、つまりコインやカラーストーンにおカネが流れる要因になっているのだと思います。
<急騰の理由その2:中国人は自国の成長に自信を持っている>
さらに付け加えれば、彼らが持つ自国の将来への自信もまた、同国コインの上昇を後押ししているのではないでしょうか。
つまり「自分たちはまだまだ成長できる」という自信が、同国起源の資産の先高予測につながっているという見立てです。