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100歳まで病気でも貧困でも「生かされる」地獄、生活保護の半数以上が高齢者=鈴木傾城

寿命100歳は「当たり前」に

人々が歴史上かつてないほど健康に気を使うようになり、医学が発達し、さらに病気に対する予防や防御も発達するようになった。

その結果、現代人の寿命は、地球温暖化などでの地球環境の悪化や、添加物の大量混入による食品の質の低下や、グローバル化による格差の広がりなどの社会環境の厳しさが増しているにも関わらず、延び続ける一方となっている。

そして、私たちは知らずして「寿命100歳は当たり前」の人生100年時代に足を踏み入れるようになっているのである。

これから生まれ育つ子供たちは、人生100年どころか、もっと長生きする可能性もある。

かつては人生は50年から60年がせいぜいだった。その時代から見ると、相当な長寿時代になっているというのが分かるはずだ。

政府の大誤算で年金制度は存続の危機へ

逆に言うと、健康に配慮する社会環境と、的確な診断と治療によって、「さっさと死にたい」と思っても「死ねない」社会に入ったとも言える。

深刻な事故や事件や災害に巻き込まれない限り、嫌でも長生きしてしまうということだ。

これは平均寿命が60歳から70歳として組み立てていた政府の年金制度を揺るがす事態でもあった。

政府から見ると、国民が60歳で退職して年金生活に入ったら、人生100年時代だとその後の40年は延々と年金を支払わなければならないことを意味する。

そして、さらに悪いことが重なっている。

結局のところ「死ぬまで働け」

今の日本の年金制度は、現役世代が納めた保険料を高齢者に支給する「賦課方式」になっているのだが、少子高齢化が放置されてしまったために、現役世代が減っているのに年金を受給する高齢者は増える一方になっているのである。

結局のところ、政府は「ない袖は振れない」わけで、年金受給年齢はどんどん引き上げられ、さらに年金が引き下げられていくのは自明の理でもある。

結局のところ、「死ぬまで働け」というのが政府の解決方法となる。

【関連】富裕層以外は死ぬまで働け。少子高齢化の加速で、2020年には女性の半数が50歳超えへ=鈴木傾城

この「死ぬまで働け」を口当たりの良い言葉で言い換えたのが「生涯現役」というものだ。

Next: 年金だけでは生存不能。人生後半の健康問題は「貧困問題」に直結する

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