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なぜ日本人は東京圏に住むと子供を産まなくなるのか=三橋貴明

日本の少子化を解消するための「二つの施策」

日本の少子化を解消し、人口を維持もしくは増大させるためには、二つの施策を実施する必要があるのだ。すなわち、若い世代の雇用安定化、厳密には実質賃金の上昇を伴う雇用安定化と、東京一極集中の解消である。

もっとも、東京圏があまりにも膨張した結果、確かにサービス業を中心に雇用が創出されている。外食サービス一つとっても、東京ほど多種多様(かつ美味しい)な食を楽しめる都市は、世界中に一つもない。それがまた、東京に人を惹きつける一因になっている。

人口流入による市場拡大が、マイナーな国の料理を供するレストランであっても、存続可能としているのだ。

サービスとは、基本的には在庫ができない。サービスは、生産と消費が同時に行われる。というわけで、サービス業の発展のためには、人口が集中していればいるほど都合がいい。

とはいえ、東京一極集中は日本の少子化の主因の一つであり、同時に「安全保障」を弱体化させる。世界屈指の自然災害大国である日本国が、人口を特定地域に集中させるのは極めて危険だ。

というわけで、我が国は人口の地方分散と経済成長を両立させる必要があるわけだ。そのためには、新幹線や高速道路という交通インフラを整備し、日本を「小さくする」必要がある。

地方と東京圏を短時間で結ぶことで、分散して住んでいながら、同時にサービスの市場としては「同一」という環境を実現できるのだ。

東京一極集中を解消するための交通インフラの整備は、
「少子化を解消する」
「安全保障を強化する」
「仕事量を増やすことで、実質賃金を引き上げる(これも少子化解消に貢献する)」
「デフレという需要不足を終わらせる」
と、日本国が抱える主問題の多くを一気に解決してしまうのである。

それにも関わらず、「財政均衡主義」に手足を縛られ、政府が交通インフラの整備に乗り出せないとなると、小手先な対策をどれだけ繰り出したところで意味はなく、日本国は最終的には「亡国」に至らざるを得ないだろう。

【関連】野田政権期より「日本国民を6%も貧乏にした」安倍総理の結果責任=三橋貴明

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週刊三橋貴明 ~新世紀のビッグブラザーへ~』(2016年3月12日号)より
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