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日経平均は131円高の1万7134円/そーせい、小野薬品など高い(3/28)

明日の日経平均株価は下がっても上がっている?「権利落ち日」の注意点

3月末に株式分割や配当を実施する銘柄は、権利付き最終売買日の本日28日と権利落ち日の明日29日の株価では価値が違ってきます。

28日の株価には期末の株式分割や配当の価値が含まれていますが、29日の株価にはそれがありません。つまり権利落ち後の株価は、理論的には株式分割や配当額に相当する価格分下落することになります。

例えば、日経平均で3月期決算銘柄の明日の配当落ち分が130円あるとすれば、明日の日経平均が130円安で理論的には本日の終値とイコールです。

この130円の差を埋めて上昇すればもちろん、配当落ち分よりも小幅な下げであっても相場は強いと判断されます。

ちなみに、1株当り5円の配当を出す銘柄の場合、権利付き最終売買日の本日の終値が1000円であれば、明日の権利落ち後の理論株価は1000円-5円=995円となります。

また、3月末に1株が5株になるような株式分割を行う銘柄の場合、本日の権利付き最終売買日の終値が1000円であれば、明日の権利落ち後の理論株価は1000円÷5=200円となります。

「1000円×1千株」は、分割したことによって「200円(分割後の見なし取得コスト)×5千株」に変化します。

この場合、株数が5倍になると同時に1株当たりの価値が5分の1になりますので権利落ち前と後では全体の価値は変わりません。

これをPER(株価収益率)の観点から見ますと、株価1000円の銘柄が1対5の株式分割を行った場合、権利落ち後の理論株価は200円、分割前の1株利益が100円であれば、株数が5倍になると同時に1株当たり利益も5分の1の20円になるため、権利落ち前の株価と落ち後の理論株価のPERに変化はありません。

大幅分割後は、単元当たりの購入資金が少なくて済むので買い易くはなりますが、分割前に比べた場合の価値の高安は別問題です。

なお、配当落ちや株式分割のいずれの場合も実際には「材料」や「投資家心理」「需給」といった要素が加わりますので、権利落ち後の株価が理論株価とイコールになることはほとんどありません。

上記の権利落ちに関しまして、例えば1株を5株に株式分割したような場合、株価チャートはその時点で大きく断裂してしまいます。しかしながら、株式分割の前と後で会社の価値が大きく変化したわけではなく、株式の総量が変わったに過ぎませんので、本来の価値の変動または投資家の売買コストを確認するには、分割前の株価を分割後の状況に修正した「権利落ち修正後チャート」を活用するのが一般的です。

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ハロー!株式』(2016年3月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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