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日経平均は4日ぶり小幅反落、「質への逃避」一服は変わらず?

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 日経平均は4日ぶり小幅反落。18.22円安の23855.37円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えている。

 6日の米株式市場でNYダウは88ドル高と4日続伸し、ナスダック総合指数やS&P500指数とともに過去最高値を更新した。中国政府が14日より米国からの輸入品750億ドル相当に対する関税を半減させると発表。米中貿易協議の進展期待が高まったほか、新型肺炎を巡る懸念がひとまず一服したこともあり、堅調推移となった。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで25円高からスタート。朝方には一時23943.45円(69.86円高)まで上昇したが、前日までの3日間で900円あまり上昇していたことから利益確定の売りが出て、一転23759.42円(114.17円安)まで下落する場面もあった。

 個別では、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>がさえない。決算が嫌気されたテルモ<4543>や富士フイルム<4901>は下げが目立ち、日総工産<6569>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで6%超の上昇。またオリンパス<7733>が12%近い上昇となり、2銘柄で日経平均を約96円押し上げた。ソフトバンクGは米アクティビスト(物言う株主)ファンドの株式保有が伝わり、オリンパスは決算が市場予想を大きく上回った。検査試薬を大幅増産すると報じられたタカラBIO<4974>も商いを伴って急伸。その他、売買代金上位ではソニー<6758>や資生堂<4911>が小高い。東証1部上昇率上位にはアイロムG<2372>などが顔を出している。

 セクターでは、パルプ・紙、その他製品、繊維製品などが下落率上位。半面、情報・通信業、医薬品、精密機器など5業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の63%、対して値上がり銘柄は33%となっている。

 前場の日経平均は米国株の最高値更新を受けて小高く始まったものの、その後一転して3ケタの下落となるなど方向感に乏しい展開だった。とはいえ、前日までの3日間で900円あまり上昇したあとの週末としては小幅な調整にとどまっている印象だ。ソフトバンクGやオリンパスといった一部銘柄が個別材料を手掛かりに大幅高となり、日経平均を押し上げている形だが、その他の主力株を見ても下値で押し目買いが入り底堅い。

 新型肺炎に対する懸念がくすぶるなかで日経平均が急ピッチの戻りを見せたことに違和感を覚えてか、前日の日経レバETF<1570>動向や先物手口を見ると売り持ち高を積み上げる動きも見られた。しかし、今週に入ってから新型肺炎を巡る「質への逃避」の動きは一服した感があり、米国では一時低下した長期債利回りの水準訂正とともに、主要株価指数が再び最高値を付けるに至った。

 もちろん、世界保健機関(WHO)が新型肺炎の感染拡大について、ピークを越えたと判断するのは「時期尚早」との見方を示していることなどから、過度な楽観に傾くべきではないだろう。また、一段の米利回り上昇には本日発表される1月雇用統計で米経済の堅調さが確認される必要があるとの見方もあり、後場の株式市場では様子見ムードが強まる可能性がある。しかし、前述のとおり大きな流れとしては株式への資金流入が続くとみられ、株価調整は短期的なものにとどまると想定しておきたい。

 なお、本日はホンダ<7267>、ソフトバンク<9434>などが決算発表を予定しており、米国では1月雇用統計の発表がある。
(小林大純)
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