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新型肺炎はカナダで作られた?2つの有力説を検証してわかった生物兵器説より恐ろしい事態=高島康司

専門家の証言

こうした情報だが、これは他の専門家によっても同じような内容が確認されているので、信頼できる情報としてすごい勢いで拡散している。

その専門家とは、フランシス・ボイル博士だ。ボイル博士はイリノイ大学法学部の教授で、生物兵器を禁止した1989年の「生物兵器反テロ法」をまとめた人物のひとりだ。ボイル博士によると、中国は間違いなく生物兵器を開発しており、「WHO」もそれを知っていることは私は分かっているという。さらに、カナダの「国立微生物学研究所(NML)」からコロナウイルスが武漢に運ばれて使われたという情報もおそらく事実だろうとした。

ネットラジオのインタビューでボイル博士はこのように発言したため、中国のエージェントである邱香果博士とそのチームによって新型コロナウイルスが「武漢ウイルス研究所」に運ばれたという情報は信憑性を増し、すごい勢いで拡散している。

果たしてこの情報は本当か?

先のカイル・バスがこの情報を投稿した後、陰謀系も含め、あらゆる情報を紹介している「ゼロヘッジ」に紹介された。その後、さらに詳しい情報が加えられ、インドを中心とした地政学のオンラインメディア、「グレートゲームインディア(GreatGameIndia)」でまとまった記事となり、さらに拡散した。このサイトはインドが地域覇権国となることを主張するナショナリスティックなサイトだ。パキスタンと中国に対する敵愾心が強い。

筆者はこの情報の信憑性を知りたかったので、調べて見た。そうしたときに頼りになるのが、「ファクトチェックドットオルグ」というサイトだ。ここは中立の立場から、拡散している情報を片っ端から調べるサイトだ。メールなどでソースを取材し、情報の信憑性を確認している。新型コロナウイルスがカナダから武漢に中国人科学者の手によって運ばれたという情報もチェックの対象になっていた。

まず分かったことは、カナダの「国立微生物学研究所(NML)」に聞いてみたところ、邱香果博士は解任されておらず、同研究所に在籍しているという事実だった。

ただ、「王立カナダ騎馬警察」に確認したところ、邱香果博士を取り調べたことはあるという。だが理由はプライバシーにかかわる私的なもので、コロナウイルスとはまったく関係がないということだった。

さらに「国立微生物学研究所(NML)」から武漢にコロナウイルスが邱香果博士の手によって運ばれた件だが、たしかに2019年8月に「カナダ国営放送」は、「国立微生物学研究所(NML)」から北京の研究所にエボラウイルスとヘニパウイルスの2つが、3月に輸送されたことを報じた。ただこの輸送には、邱香果博士はまったくかかわっていなかった。これは、カナダ保健当局の規制を順守した合法的な輸送だった。

また「カナダ放送協会」の報道によると、邱香果博士は著名なウイルス学者なので、「武漢ウイルス研究所」をはじめ、「中国科学院」、「天心大学」、「中国医学科学院」、「北京理工大学」、さらに「中国ウイルス学会」や「WHO」の主催する国際会議で講演を行っているという。

どうもこれが実際に起こったことのようだ。

これを見ると、カイル・バスがツイートで拡散した情報は、邱香果博士が私的な理由で「王立カナダ騎馬警察」の取り調べたを受けたこと、そして「国立微生物学研究所(NML)」が北京の研究所にエボラウイルスなどを送ったこと、さらに邱香果博士が「武漢ウイルス研究所」で講演をしたことという、相互に関係がない3つの出来事を一緒にして「創作されたストーリー」であったことになる。

これを拡散したカイル・バスは、スティーブン・バノンと行動をともにする徹底した反中国活動家の一人だし、この情報の拡散に貢献した「グレートゲームインディア」も、中国に敵愾心を燃やすインドナショナリズムのメディアだ。

そのように見ると、新型コロナウイルスは中国の生物兵器であるに違いないという強い思い込みから、3つの出来事を一緒くたんにしたシナリオができあがり、それが拡散したものと思われる。

Next: これは生物兵器なのか?もっと驚くべき事態

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