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後場に注目すべき3つのポイント~東京都のロックダウンリスクが手控え要因に

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30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅下落、東京都のロックダウンリスクが手控え要因に
・ドル・円は弱含み、米景気後退懸念で売り継続
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は大幅下落、東京都のロックダウンリスクが手控え要因に

日経平均は大幅に下落。626.73円安の18762.70円(出来高概算8億3000万株)で前場の取引を終えた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が止まらず、週末の米株安の流れもあり、売り優勢の展開となった。

シカゴ日経225先物清算値は大阪比520円安の18560円だったが、朝方は底堅さが意識され、寄り付き直後には18931.10円を付けている。しかし、トランプ米大統領は、不要不急の外出を控えることなどをまとめた国民向けの行動指針の適用を、来月30日まで1カ月、延長するとの発表なども伝わっており、前場半ばには18578.20円と週末のシカゴ先物にサヤ寄せしている。

東証1部の騰落銘柄は、値下り数が1900を超えており、全体の9割近くを占めている。セクターでは東証33業種全てが下げており、空運、銀行、倉庫運輸、保険、石油石炭、機械が軟調。一方で、食料品、電力ガス、海運、パルプ紙が小幅な下げにとどまっている。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテイリング<9983>、東エレク<8035>、KDDI<9433>、ダイキン<6367>が軟調。一方で、中外薬<4519>、富士フイルム<4901>が下支え。

朝方こそ底堅いスタートとなったが、その後はじりじりと下げ幅を広げる展開となり、結局はシカゴ先物にサヤ寄せする格好だった。3月期決算企業の配当落ちによる影響が180円程度とみられれているため、この部分を考慮したとしても、配当落ち分を大きく上回って下げている銘柄が多く、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞の長期化懸念が高まっている状況であろう。参加者が限られる中で、先物主導によるインデックス売買の影響をより受けやすい需給状況でもある。

物色の流れは、マスクや治療薬、人工呼吸器、テレワークといった新型コロナウイルスに関連する銘柄等に集中しており、後場についても、この流れが続きそうである。TOPIXの下落率が3%を超えており、後場は日銀のETF買い入れへの思惑等が下支えとして意識されようが、短期筋の売り仕掛けというよりは、実需の売りが出ているため、下支えはあっても、ショートカバーが強まる流れにはなりづらいだろう。日本では週末の感染者拡大を背景に、東京都のロックダウンリスクが更に拡大した格好となる中、中長期的なポジション取りも手控えられそうである。


■ドル・円は弱含み、米景気後退懸念で売り継続

30日午前の東京市場でドル・円は弱含み。米景気後退(リセッション)入り懸念や日本株の大幅安を受け、ドル売り・円買い優勢の展開となった。また、年度末に伴う国内勢のドル売りも継続し、一時107円12銭まで売り込まれた。ただ、ドルは107円台を維持するなど、底堅さも意識される。

ここまでの取引レンジはドル・円は107円12銭から107円97銭、ユーロ・円は118円85銭から120円06銭、ユーロ・ドルは1.1087ドルから1.1144ドル。


■後場のチェック銘柄

・ギークス<7060>、リプロセル<4978>など、24銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位は東エレク<8035>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・ムニューシン米財務長官
「新規失業保険申請件数の急増など正常な経済を反映していない」
「トランプ大統領は労働者やビジネス保護するため何でも行う」
「ボーイングは政府支援が必要ないとしている。しかし将来はわからない」

・トランプ米大統領
「新型ウイルスに対処する2兆ドル規模の経済支援策に署名」

【経済指標】

米・2月コアPCE価格指数:前年比+1.8%
(予想:+1.7%、1月:+1.6%)

米・2月個人所得:前月比+0.6%
(予想:+0.4%、1月:+0.6%)

米・2月個人消費支出:前月比+0.2%
(予想:+0.2%、1月:+0.2%)

米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値:89.1
(予想:90.0、速報値:95.9)

米・3月ミシガン大学1年期待インフレ率確報値:2.2%
(予想:2.4%、速報値:2.3%)

米・3月ミシガン大学5−10年期待インフレ率確報値:2.3%
(速報値:2.3%)


<国内>
特になし

<海外>
特になし


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