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コロナ恐慌は長期化する?世界経済のV字回復が期待できない3つの理由=斎藤満

V字回復は期待できない理由その2:途上国の感染拡大の脅威はこれから

第2に、先進国で感染拡大が収束に向かっても、途上国での感染が長期間拡大、持続する可能性があります。先進国のような大都市型の感染爆発はない代わりに、感染がゆっくり、しかし長期間持続し、都市部から地方にまで広がる懸念があります。

先進国のような医療体制が整わず、衛生状態も良くない地域では、ちょっとした感染が重症化し、深刻な事態に陥るリスクがあります。

先進国で収束が見えてきても、アフリカや中南米など途上国からの感染リスクが長期間残ります。

先進国で抗ウイルス剤が実用化されるか、国民の過半が抗体を獲得すればよいですが、その前段階で収束した場合、途上国からの感染を封印しないと、また感染がぶり返します。

途上国まで含めた感染の収束を見るには、かなりの時間を要し、今年中にこれが実現する保証はありません。

世界のどこかにまだ感染源が存在し、先進国に潜入するリスクがある間は、経済活動の完全な再開は期待できず、従って経済のV字回復も期待できません。

V字回復は期待できない理由その3:感染封じ込めの中国も浮揚せず

第3に、感染が封じ込められたとされる中国の事例を見るにつけても、現実のV字回復は期待できません。

中国では中央政府の強権発動で多くの都市が封鎖され、人の移動が禁じられました。その成果からか、感染者は8万人台で止まり、政府はコロナ戦争に勝利したと宣言しました。

そして3月になって企業は営業を再開し、都市の封鎖も次第に解除され、人の移動も許されるようになりました。これを見て、中国経済のV字回復を唱えるエコノミストも少なくありません。

その点、誤解を招いたのが国家統計局がまとめた3月のPMI景気指数で、これが2月から急反発し、50を超えたことです。製造業は2月の35.7から52.0に、非製造業は2月の29.5から52.3に急上昇しました。

これを見て、多くのエコノミストが、中国の景気落ち込みは2月の1か月だけで、早くも3月には通常の拡大軌道に戻ったと判断しました。PMIだけ見ると、1月から50.0、35.7、52.0と、いかにもV字に見えます。

しかし、厳密にいうと、中国のPMIは前の月に比べて上向きか下向きかを問うもので、2月は1月に比べて、大幅に低下したことを示唆。一方、3月の数字はその大きく後退した2月の水準からわずかに高まったことを示しているにすぎません。

平時であれば52という水準は堅調、と言えますが、今回は事実上経済活動がほぼストップした2月と比べているので、そこからわずかに上昇したと言っても、水準はかなり低いものです。

例えば、1月の水準を100とすると、2月は20くらいに落ち込み、3月は22に回復しても、PMIは前記のようになります。3月はPMIから見ると1月より強く見えますが、実際の経済活動水準は2月よりはましですが、1月から比べると大きく落ち込んだままと言えます。

中国経済は、封鎖された2月に大きく落ち込んだ後、封鎖が解除され、工場が再開された3月も極めて低い水準にあります。

Next: 中国が徐々に生産水準を高めたとしても、欧米など海外主要国の市場が停滞――

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