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5月末の日経平均は13,000円、為替は108円~春は暴落の季節=長谷川雅一

よくある「春の暴落」

年がら年じゅう「株は上がります。今が買いどきです」と言うのがお仕事である、証券会社系のアナリストの方々が、「4月は株のパフォーマンスがいいんです!」とおっしゃることがあります。

しかし、実際には、4月から5月にかけての暴落も目立ちます。以下は「春の暴落」の発生した年と、日経平均株価の下落率です。

  • 2000年4~5月(約20%の下落)
  • 2004年4~5月(約12%の下落)
  • 2005年4~5月(約9%の下落)
  • 2006年4~6月(約20%の下落)
  • 2010年4~5月(約17%の下落)
  • 2012年4~6月(約18%の下落)
  • 2013年5~6月(約21%の下落)
  • 2014年4~5月(約8%の下落)

過去15年で「春の暴落」が8回あったわけで、「4月は株のパフォーマンスがいい」という論拠が、僕には、よくわかりません。むしろ「春は危ない」というのが、実際にリスクを取って売買しているトレーダー達の共通認識ではないか、と思います。

この春も、同様に、日経平均株価が約20%下落するとしたら、2016年3月30日の17,078円をピークに、約6週間後の2016年5月18日までに、日経平均株価は約4,000円(20%)下落して13,000円になる計算です。

つい先日まで、日経平均株価は17,000円付近で安定していましたから、「冗談でしょう。13,000円なんてありえない」と思われるかもしれませんが、この程度の下落は、過去に何度も、平気で発生しているのです。

政府の経済政策で株価が暴落する

もちろん、安倍総理の「目の黒いうち」は、そこまでの下落は、ないかもしれません。政府が買い支えれば、「一時しのぎ」にはなるからです。

しかし、安倍政権が「よかれ」とやっている経済政策を、投資家は必ずしも評価していません。アベノミクスは「危険だ」という見方もあるし「失敗だ」「根本的に間違っている」といった意見もあります。

ですから、安倍総理が得意満面で、新しい経済政策を打ち出した瞬間、政府の狙いとは逆に、株価が下落し米ドル/円も下落する(円高になる)恐れがあるわけです。先日の「マイナス金利」導入の後の暴落は、まさに「それ」でした。

僕自身は、安倍総理の経済政策は「根本的に間違っている」と考えていますが、そう考えている投資家達は、上昇トレンドでは買うかもしれませんが、基本的に、ひたすら「売り」のチャンスを狙っています

また、いったん「売り」のトレンドがハッキリしてくると、投機筋が、そのトレンドに乗ってさらに売ってきます。その結果、「○○ショック」といった名前の付く「暴落」が発生する。それが、株式市場の「常」です。

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