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サーバーワークス Research Memo(6):公募増資による資金調達で財務体質が大きく改善、無借金経営に

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■業績動向

3. 財務状況
サーバーワークス<4434>の2020年2月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,300百万円増加の4,472百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では公募増資等により現預金が818百万円増加したほか、売上拡大に伴い売掛金が290百万円増加した。一方、固定資産はテラスカイの株式評価額が増加したこと、及び(株)モンスター・ラボの株式取得に伴い、投資その他の資産が235百万円増加した。モンスター・ラボはデジタルプロダクトの開発能力を保有するIT企業で、今後、AWSを活用したアプリケーション層からインフラ層までの顧客ニーズを包括的に対応する能力を強化し、顧客のデジタルトランスフォーメーション推進に貢献していくことを目的に、2020年2月に資本業務提携を締結、99百万円を出資した。

負債合計は前期末比1百万円増加の1,437百万円となった。主な増減要因を見ると、買掛金が359百万円増加した一方で有利子負債300百万円を完済したほか、未払法人税等が133百万円減少した。また、純資産は前期末比1,298百万円増加の3,035百万円となった。株式上場に伴う公募増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ440百万円増加したほか、当期純利益333百万円の計上、テラスカイ株式の評価額上昇に伴い、その他有価証券評価差額金が84百万円増加したことによる。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す流動比率や自己資本比率は公募増資による資金調達を実施したことや収益拡大により前期実績から大きく上昇し、また、無借金経営となるなど財務体質は大きく改善した。一方、収益性について見ると、売上高営業利益率で前期比1.4ポイント低下したほか、ROAやROEもそれぞれ低下した。ROEを分解すると、総資産回転率は前期の1.56回から1.78回に上昇したが、売上高当期純利益率が8.0%から4.9%に低下したほか、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)が1.87倍から1.60倍に低下したことが低下要因となっている。当期純利益率に関しては特別利益の減少が主因で、財務レバレッジについては公募増資による自己資本の充実と有利子負債の完済によるものとなっている。2021年2月期のROEは、会社業績計画を前提にすると10%程度の水準になると試算される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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