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JR4社はいま買い時なのか? 年初来安値更新「割安」評価の裏に潜むリスク=栫井駿介

<JR西日本>

JR西日本は少し運輸の割合が低くなります。

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JR西日本というと大阪以西ということになりますが、どうしても人口密度が低かったりして、運輸では在来線はあまり儲からないというところも出てくるので、他の物に分散しなければならないわけです。

その1つとして流通事業、駅ナカ駅ビル、あるいはブランド用いてマンションを売ったりしています。

しかし運輸の割合は低くなっていて、若干安定感には欠けます。人口動態を考えても東日本ほど盤石ではないと思います。

<JR九州>

次にJR九州ですが、JR九州はクルーズトレインの「ななつ星」が注目されたりしてますけれども、鉄道事業はやはり厳しいところがあります。

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この鉄道事業がおよそ3割4割を占めていて、利益率は11%となっていますが、ここにはカラクリがあります。

鉄道事業というと鉄道に投資をしてそれで利益を出していくのですが、コストが基本的には鉄道の減価償却費ということになります。

しかしJR九州は民営化した時に鉄道の資産を全て償却処分してしまって、ここに減価償却費がかかっていない数字となったのが、この利益率11.4%というものなんです。

したがって一見利益が出ているように見えますが、今後投資や修繕とかしていかないといけないということを考えると、当然どんどんコストがかかっていくことになります。

そう考えると鉄道事業から利益を生むのは正直厳しいと言える状況が考えられるわけです。

そこでどうしたのかというと、やはり「不動産」に力を入れていきます。

例えば博多駅を新幹線開業に合わせて大改修して、博多阪急やアミュプラザといった駅ビルの不動産賃貸事業を行っていたり、あるいはマンションを販売することで利益を出しているという側面があります。

<JR東海>

次にJR東海ですが、JR東海は逆に鉄道に特化した会社ということになります。

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鉄道の中でも特に新幹線で「東京ー大阪」という鉄板の路線を持っているので、とにかくここで少しでも多くのぞみを走らせることによって、鉄道事業運用43%という高い利益率を出して利益の構成も9割を超えている新幹線1本の会社と言っていいです。

これまで説明したようなことを一言でまとめるとすると、JR東日本はバランスが非常に良く取れた鉄道会社であるということ、JR西日本はどちらかというと不動産や関連事業よりな企業だということができます。

JR九州は利益としてほぼ不動産屋で、鉄道は儲からない状況になっているので不動産屋として活路を見出してきたということになります。

一方でJR東海に関して新幹線一本足である意味純粋な鉄道会社と言えるかもしれません。

Next: 成長が見込めるかという観点で見れば、やはりどの会社も厳しいということ――

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