もともと景気は下降局面にあった
日本景気悪化は、コロナのせいではありません。もともと昨年から景気は悪化傾向にありました。
マイナス成長となるのは、消費税率が10%に引き上げられた2019年10〜12月期から3四半期連続となっています。とっくに日本景気はリセッション(景気後退)となっているのです。
それをコロナが加速したということで、それだけ世界経済に比べて日本経済は深刻だということです。
アベノミクスは、金融政策で株価を引き上げただけで、それ以外はなんの効果もなかったと言えます。企業の内部留保金は増えました。それは株価が上がったことによる評価増によるものです。
一般国民も、株価上昇に浮かれての消費増は見られましたが、足腰の強い消費とはなっていません。消費はもっぱらインバウンドに頼り、公共投資も東京五輪に向けての物がありました。
「人手不足経済にも関わらず、賃金が上がらない…」これがアベノミクス経済の実態でした。これでは足腰の強い消費は持続されません。
そんな中での消費税増税でした。まさに「政策不況」と言えるでしょう。
この景気に対しての下圧力が強くなっているところにコロナショックがあり、しかもそのコロナ対策初動の失敗が先行き不透明感を増しました。
日本の先行き不透明感は、かなり深刻だと言わざるを得ません。
倒産拡大の危険性
先行き不透明感の表れが、倒産件数の増加だと思われます。
保障(補償)のない経済活動停止強制は、企業倒産を加速する結果となりかねません。自粛要請に強制力をつけることを国民自体が望んでいる現状。それを政府が「恐ろしい」と思わないでいることが恐ろしいです。異常を通り越して、恐怖を感じます。
経済を動かしながらコロナと共生するということは、まずは科学的判断を前面に出してから、政治的判断で調整するという運びが良いのですがね。
今の政府には、科学的判断が大きく欠けているようです。専門者会議も、かなり政府に忖度しているように思えます。
経済優先と科学優先は相反するもので、それを政治が調整するというガチンコの議論が、どうもなされていないようです。
とにかく政府は、もはや経済を止めることはできず、かと言って対策があるようではなく、どの局面でも、どの立場でも、「自助努力」が否応なしに求められる状況です。
表向きに倒産を宣言する数字以上に、自主廃業として静かにシャッターを下ろす店や中小零細企業は静かに増えていくでしょう。