希少過ぎておカネの代わりにならない
あと希少性の高さも、プラチナが準通貨になれない理由のひとつだと思います。
通貨として用いられるためには一定の流通量が必要です、銀のようにあまりに多ければ準通貨としてふさわしくはありませんし、逆にプラチナのように少なすぎても、通貨として使用するのに不便です。
このようなことからプラチナは準通貨としての性格を持っていないのだと思います。
そして、そのことが現在のようなお札ジャブジャブ環境で、準通貨として存在感を高める金(ゴールド)に比べて、安値に放置される理由のひとつではないかと僕は思います。
通貨ではないので、昨今のように紙幣過剰時代には、おカネの代替品である「金」よりも安くなる…というワケです。
コロナ禍で供給不足に。ここからプラチナ相場はどう動く?
では、今後のプラチナ相場はどう動くのでしょうか。
準通貨としての性格を持たないとすれば、相場は主に産業用金属としての需給で決まることになるでしょう。
先日、プラチナの国際調査機関であるワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が、2020年4-6月のプラチナの需給のまとめを発表しました。
それによると、世界のプラチナ需要はコロナ禍の影響をモロに受け、対前年同期比で-19%の50トンにとどまったとのことです。
これに対して、供給はどうだったのでしょう。コロナによる悪影響は需要以上に大きく、供給のほうは同35%減の44トンまで落ち込みました。その原因は、世界のプラチナの70%を産出する、南アフリカ鉱山の産出停滞だそうです。
WPICはコロナ以前の時点では、2020年の需給を8トンの余剰と見ていました。それが直近の予測では、逆に10トンの不足に修正されています。
年間の需要が250トンほどしかありませんので、この供給不足10トンは決して小さなものではないと思います。これは年終盤のプラチナ相場に、なにがしかの影響を与えるのではないでしょうか。
ご参考までに、現在のプラチナ価格は1オンスあたり850ドル前後。これに対して、年初時点ては同970ドルほどでした。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2020年9月25日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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