パチンコ依存に陥るとどうなるか
実際、パチンコ依存に陥った人たちは大勢いる。パチンコ依存に陥って、借金をしてまでパチンコをし続ける人間は大勢いる。
育児放棄してパチンコにのめり込む主婦もいる。子供を車の中に放置したままパチンコに夢中になって熱中症で子供を殺してしまった事件もある。最近では2017年に静岡でそのような事件が起きた。
パチンコで金がなくなってコンビニ強盗した人間もいる。2020年5月1日に香川県高松市では、46歳の男がパチンコで金がなくなり、もっとパチンコがしたいがために刃渡り15センチの包丁を持ってコンビニ強盗をして逮捕されている。
生活破綻した後に行政から生活保護費をもらい、現金の支給日にそのままパチンコ屋に直行する人間も存在する。
生活保護というのは、最終的には受給者の生活を立ち直らせて「再び自立に向けて歩んでいけるように」という願いを込めて支給されるものだ。それを、右から左にパチンコ店に注ぎ込むのだから、生活保護はパチンコ屋を潤すためにあるのか、と真面目に生きている人が激怒しても当然だ。
パチンコ依存症という底なし沼
しかし考えなければならないのは、受給者をそうした行動に駆り立てているのはパチンコ店そのものだということだ。そこは、客を依存症にさせる空間と化している。
大音響で外界と隔絶させ、目まぐるしい点滅で意識を目の前に集中させ、条件反射だけの猿にさせる。その上で、「もしかしたらうまくやれば儲かるかもしれない」という感情を極限まで煽り、そして離れられないようにする。
これによって脳が変質する。パチンコは脳を異常なまで興奮状態にするのだが、この状態が長く続くと脳は常に興奮を欲するように変化してしまう。
パチンコを止めたら興奮が得られずにイライラするようになり、再びパチンコに向かってしまう。これがギャンブル依存症なのであり、パチンコ依存症である。
いったん、脳が変質して常にパチンコでの興奮を欲するようになると、もうそこから抜けられない。そうやって抜けられないように極度なまでにシステム化されたのがパチンコという違法賭博ビジネスなのだ。これが、野放しになっている。