fbpx

菅政権、アベノミクス継承は化けの皮。忖度なき改革で日本は大相場へ=山崎和邦

スローガン倒れだった安倍政権。菅政権には期待できる?

安倍政権の成長戦略はスローガン倒れだった。「一億総活躍・働き方改革・生産性革命」などのスローガンが実効性のある具体策にまで絞り込まれなかった。

「安倍政権の成長戦略は、良く言えばビジョン重視、悪く言えばスローガン倒れだった」(カギカッコ内は元日銀調査統計局長・早坂英男氏の引用。週刊東洋経済誌10月24日号)。

菅政権の経済政策は、アベノミクスが結果を出せなかった成長戦略の強化を重視するのではないかと筆者は思っているし、大方の人々はそう思っているに違いない。

安倍政権の成長戦略が中途半端だったのは、デフレ脱却が実現すればすべてがうまく行くというリフレ派学者の言葉をぜんぶ信用して、構造改革を無視または軽視したからである。

これに対して菅首相は個別的具体的な実例を挙げて順次やり遂げていくという姿勢を見せた。こうした姿勢が国民から好感されているのだと思う。

しかし、これでは改革のビジョンやスローガンに集まる海外資金が寄ってこない。

なぜ柿崎明二氏を首相補佐官にした?

柿崎氏はリベラルに近い毎日新聞社に入社し、その後リベラル派共同通信社の記者に転じ、それなりの取材力と舌鋒鋭い政権批判で活躍してきた記者だ。

当然、安倍政権を8年間批判し続けてきた。それが菅政権の首相補佐官に起用されるということは永田町を驚かせたと同時にマスコミ界でも「転びバテレン」の衝撃を与えたと思う。

気骨ある政治記者は政治家の懐に飛び込んでも取り込まれることはなく、一線を画して客観的に観察し、すべてを書き語るはずだ。

しかし、凡庸な記者は「転びバテレン」として取り込まれ、政権の代弁者になるだけだが、どういうつもりか、彼はあっさりと首相補佐官に転じた。

安倍政権を正当に継承すると言っている菅政権に対して、今まで安倍政権を批判し続けてきた男があっさりと登用されるのは実に不思議であるし、誘われたとしても断るのが当然の筋道だから、永田町もマスコミ界もこれには驚いた。

当の菅氏はいかなるハラなのだろうか。

Next: 安倍政権批判の先鋭を取り込んだ菅首相の思惑は?

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー