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公的マネーが東証1部上場企業の8割で大株主の異常さ。日銀膨張の末路は=原彰宏

日銀がお金をばらまいても景気がよくならないワケ

日銀が市中から国債を買い入れて現金を供給するという仕組みは、市中銀行が持っている国債を日銀が買い入れて、銀行にお金を渡すことになります。従って、市中銀行、貸付で企業や個人に回さない限り、世の中にお金が出回ることはありません。銀行が溜め込んでいたらなんの意味もありません。

ところが景気が悪くて、世の中の企業が設備投資などで事業拡大に踏み切らないので、買付そのものが拡大していきません。お金を貸して欲しいと言ってくるのは、とても銀行が応じられないところばかりです。銀行としては利ざやで稼ぐことができないので、昨今では手数料収入に力を入れるようになりました。

銀行は貸付に回らない資金を資産運用をすることで利益を得ようとします。ただ、金融庁から強い指導があり、安全資産での運用を心がけるように言われています。

そこで銀行は、安全な資産として国債で運用することになります。つまり政府発行の新規国債を銀行が買い、その国債を日銀が買って銀行にお金を渡し、銀行はもらったお金で政府発行の国債を買います。

新発債は買わないとのルールはありますが、すごく乱暴な説明ですが、概ねこんなお金の循環があるのではないかと予想されます。ルール上の話はともかく、「実際には」という話です。

これが「量的緩和の罠(わな)」と呼ばれるものです。いくら頑張って世の中にお金をばらまいても、いっこうに景気は良くならない、企業の設備投資や個人消費につながらないので景気が良くならないというものです。

第2のリーマン・ショックが起きる?

また、国債利回りが低く、マイナス金利になると、銀行とは言えどもリスク商品に手を出したくなります。

特に地方銀行は、地方経済疲弊により貸付先がなく、また貸し倒れも出てきていて、貸付業務による収益が期待できないので、資産運用に頼るところが強くなります。海外で「第二のサブプライムローン」と呼ばれる「CLO(ローン担保証券)」に手を出している地方銀行が多いとも言われています。

CLOは貸付が証券化されたものですから、企業倒産リスクがあるのは容易に理解できます。コロナショックによる企業倒産続出は、いずれはこのCLOは破綻するのではないかとも言われていて、菅総理が地方銀行再編を急ぐ理由は、理解できそうな気がします。

コロナ問題から派生する二次的な事象、その中にCLO破綻による金融機関破綻が相次ぐという自体が重なると、第2のリーマン・ショックとなり、コロナ・ショックとリーマン・ショックがダブルで襲って来る事態が想定されます。

あくまでも予想シナリオの話ですけどね。

結局、日銀から政府への資金供給では?

話を戻しましょう。日銀は直接政府にお金を供給はしていませんし、それは日銀の独立性から許されません。

しかし問題は、結果として、市中銀行を経由して日銀が国にお金を供給しているのと同じ効果を生み出していることにならないかということです。つまり、日銀の国債残高は、数字がピッタリと合わないまでも、財務省の国債による資金調達額になるということになります。

日銀の国債残高は500兆円を突破したと言われています。これは日本のGDPに匹敵する額です。

先程のロジックでいくと、金額は一緒ではありませんが、この日銀国債残高は、財務省に入る国債資金になると言えないでしょうか。つまり歳入ですね。

財政が逼迫(ひっぱく)していると言われています。それは税収だけでは歳費が賄えないということで、毎年国債を発行して、財政を賄っていると言われます。

国債を発行することは国の借金だと表現されますが、日銀が国債を市中から買うことで、日銀が国の借金を肩代わりしているという構図になれば、借金は返済しなくてよいということになりますね。

ある意味、今話題のMMT(現代貨幣理論)を実践しているようなものです。繰り返しますが、「日銀が銀行から国債を買う → お金が銀行にわたる → 銀行が国債を買う」。一気にやるとインフレを招いてしまうので、徐々に規模を大きくしていく…ウワサの域を出ませんが、海外ではMMTを議論する際に「日本を見てごらん」というセリフがあるそうですよ。

Next: 社会保障制度を維持しているのは日銀の量的緩和か。見つからぬ出口

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