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公的マネーが東証1部上場企業の8割で大株主の異常さ。日銀膨張の末路は=原彰宏

財政逼迫の原因は社会保障制度にある?

日銀の量的緩和が拡大し出したのは、2011年の東日本大震災のときがきっかけであることは前述の通りです。今度は、国債を発行する側から見てみましょう。

財政逼迫のために、国は国債を発行して資金調達をしています。社会保障制度を維持するために、保険料では足らないので税金が投入されていて、その補填により、財政が逼迫していると説明されてきました。

話の起点となっている2011年社会保障費を見てみましょう。社会保障給付費は107兆5,000億円、このうち公費負担は43兆5,000億円となっています。

2017年社会保障費を見てみますと、社会保障給付費は120兆2,000億円、このうち公費負担は49兆9,000億円となっています。うち、国庫負担は33兆3,000億円です。

おそらく国庫負担は、ずっと33兆円ぐらいでしょうから、2011年から2020年の9年間で、国庫負担は約300兆円増えたことになります。

前述の通り、日銀の国債残高は9年間で540兆円増えました。この分のお金が市中銀行に出回り、それで国が発行する国債を買っているとするなら、日銀の量的金融緩和が、日本の社会保障を支えているとは言えないでしょうか(もちろん他の歳出もあり、大雑把に言っての話です)。

つまり、社会保障制度を維持するためには、日銀は量的緩和を続けなければならないということに繋がりませんかね。

ということは、社会保障制度はもうすでに破綻しているのではないのでしょうか。だから、竹中平蔵氏が「ベーシックインカム」案を、唐突に主張したのではなく、絶対に必要だから、今から地ならしで意識してもらおうという思惑があったのではないでしょうか。かなりの邪推ですけどね。

でも、社会保障制度が維持できないことは、きっと多くの国民は頭の中では理解していると思うのですがね。

社会保障制度に対する国民の姿勢は、「頭で理解して、心では納得せず、だから行動はフリーズ」というものではないでしょうか。あるいは「見て見ぬ振り、先送り、もう考えない」です。恐ろしいですね…。

日銀は永遠に量的緩和を続けざるを得ない

ここまで検証してくると、日銀の量的緩和は、単なる景気浮揚のための政策とは思えなくなってきました。

そもそも、いま日銀がETF買いをやめると、まちがいなく株価は大暴落します。外国人投資家が、日本株を投げ売りするのではないでしょうか。

そもそも今の日本株価が、日銀や年金資産が買い支えることによって成りたっているものだとすると、本当の実力はもっと低い数字であり、日本市場はそもそも投資に値しない市場だったということになるのでしょうか。

ただ、このまま政府が国債を発行し続け、間接的に日銀の資産が膨らむ状況が続けば、「クラウディングアウト(Crowding Out)」という状態を招くことにならないのでしょうか。

「クラウディングアウト(Crowding Out)」とは、政府が資金需要のために国債の大量発行や減税などで公共事業の拡充など財政政策(政府貯蓄の減少)を行った場合、実質利子率の上昇を招いてしまうという現象のことです。国債が出回ると国債価格が下がり、国債の魅力をつけるために利回りが上がってくるというのです。

これを防ぐ意味でも、日銀は国債を買っていると言えます。金利上昇は株価に影響を与えるので、金利上昇を防ぐために、いま日銀は、長期国債を大量に買っています。

市場を無理やり調整しようと強引な方法を長きに渡りやり続けてきて、もうやめられないところにまで来ているのではないでしょうか。

Next: 日銀が国債買いをやめたら株価は大暴落。日本社会は混乱の渦へ

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