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公的マネーが東証1部上場企業の8割で大株主の異常さ。日銀膨張の末路は=原彰宏

前場に株価が下がれば、後場には日銀が買ってくれる

日銀や年金など、公的マネーが日本の株価を下支えしてくれるのであれば、投資家は安心して株が買えます。

それは、株価変動は市場に任せるという大原則に反することにはなります。そもそも業績が良い企業の株価が上がるのは当然ですが、業績が悪い企業の株価までもが上がるというのは、市場原理からは大きく逸脱している現象です。つまり今の株価は実勢を反映していない、まさに作られた株価だと言えます。

公的マネーが買い支えている間に投資家を市場に呼び込んで、株価安定を図るというのが狙いなのでしょうが、もはや公的マネーが入ることが前提の投資家心理となっていますので、これで公的マネーの投入をやめるというアナウンスが出た瞬間に、株価は大暴落し、おそらくは底値が見えないぐらいに下げが止まらなくなるでしょう。

もう日銀も年金も「引くに引けない」状況にまで至っていると思われます。これはかなり危険なことです。出口が見えないということです。想像される方法はないわけではないですが、ポスト黒田総裁という貧乏クジだけは引きたくないと、きっと誰もが思っているのでしょうね…。

日銀の資産がこの10年で膨張している

日銀が誕生したのは明治に入ってからで、ずっと変わらぬ日銀の使命は「金利操作で物価を安定的に成長させる」ことにあります。

量的緩和は、金利では景気後退を止められないので、市中のマネー供給量で調整するという、日銀にとっては「耐え難い」政策でもあります。日銀にとって量的緩和は、できれば避けたいものですから、景気が良くなったらいち早く金利調整に戻したいと願っているようです。

その日銀の資産ですが、バランスシート上では毎年増えていってはいます。大きくその資産を膨らませたのは、量的緩和による資産買い入れ、市中国債買い入れとETFやJ-REIT直接買い入れによるものです。

量的緩和の目的は市中マネー供給量の増加で、そのためには、ある程度の資産拡大は仕方がないとは思っているのでしょうが、その膨張の仕方がすごいのです。

世界的に量的緩和政策が取られたのはリーマン・ショックがあってのことで、日本では、本来の金利調整にこだわる日銀の姿勢が強くあり、量的緩和にはなかなか舵を切りたがりませんでした。

東日本大震災をきっかけに、日銀は、とうとう量的緩和に踏み切ったのですが、この2011年3月を境に、震災以前と以後とで比べてみると、日銀誕生から2011年までの100年超にわたる期間で増えた日銀資産は、約120兆円になります。

100年以上の年月で120兆円増えたことに対して、震災後から現在に至るまでの9年間で増えた日銀資産額は、なんと約540兆円になります。

明治の日銀誕生時から日銀資産をグラフに表すと、直近9年のグラフが天に突き刺すように、直線でそそり立つイメージになりますね。

ここでも「異次元」という言葉が、妙に説得力を持つことになります。

Next: 量的緩和の罠?日銀がお金をばらまいても景気がよくならないワケ

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