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日本は破滅ルートを選んでしまった。2021年が失業 諦念 怨嗟の年になる理由=鈴木傾城

どうやっても雇用の削減に行き着く

つまり、明るい将来が見えない社会では、経済が活性することが期待できない。

いくら金利を下げようが、金融緩和しようが、それで普通の人たちが消費したいという気持ちになるわけではない。金利を下げ、金融緩和が行われて喜ぶのは「株主」だけである。

ファイナンスのコストが下がり、金融緩和によって大量のマネーが株価を押し上げるのだから、それは株主「だけ」がひとり勝ちする。株価が上がれば企業も潤うが、潤った分は内部留保されて従業員には回さない。そのため、トリクルダウンも起きない。

緩やかなインフレも、内需拡大も成し遂げられない政府は、ここで焦って各企業に「最低賃金を上げるように」と指導することになるのだが、そうするとまた別の問題が起きる。

賃金を上げることが強要されるのであれば、企業側は従業員をより削減して、ハイテク化による効率化・合理化を徹底的に推し進める。賃金を強制的に上げさせる施策は、雇用を削減する流れをさらに加速させるのだ。

政府は良かれと思って「賃金を上げよ」と言うのだが、それは、むしろ雇用者をより減らして社会情勢を悪化させてしまう皮肉な現象を生み出す。

現在の社会では、企業が常に利益を出すことが株主から求められている。株主が経営者にコストを削減して利益に回すことを強く要求するのは、配当も企業の成長も利益が生み出すからである。

アクティビスト(物言う株主)が増えて企業に干渉するようになった結果、好況不況に関係なくリストラが起きる。ここにデフレやグローバル経済の停滞が続くと、さらにリストラは大規模化する。

そんな中で企業に賃金を上げよと無理やり強制すると、さらにリストラは恒常化する。何をどうやっても、雇用の削減に行き着く。

消費税とコロナのダブルパンチ

折しも政府は2019年に消費税を引き上げた。今、日本で起きているのは消費税の引き上げとコロナによる「ダブルパンチ」なのだ。これでは、よほど何か奇跡的なことでも起こらない限り雇用が増えることはない。

奇跡的なことは、起こらないとも限らない。ものすごく効くワクチンが開発されたとか、画期的な治療薬が発見されてコロナが一瞬にして駆逐されたとか、何かそういう幸運もあるかもしれない。その可能性はゼロとも言わない。

しかし、ワクチンは70%ほどしか効かず、世界に行き渡るのにも時間がかかり、ワクチンの接種を個人的見解で拒否する人もいたりして、コロナ禍の停滞は来年も再来年も続くかもしれない。

さらにコロナ禍によって引き起こされた経済情勢の悪化が、政治情勢をも悪化させて、世界は負のスパイラルに落ちていくかもしれない。すでに途上国のあちこちが経済悪化で軋みを上げており、抗議デモも暴動も増えてきた。

世界はつながっているので、こうした世界情勢の不安定化は必ず日本の経済にも響く。グローバル経済というのは、全体が悪化したら日本も一緒に悪化するということなのである。

今、日本社会が意外に平静を保っているのは、特別給付金や持続化給付金などが効いているからだ。しかし、財務省はそろそろ持続化給付金を終了したいと言い出している。まだコロナ禍は落ち着いていないが、そんな中で来年1月には持続化給付金も終了するかもしれない。

こんな状況の中で内需拡大ができるわけがない。

Next: 金があっても消費せぬ社会、日本は着実に衰退へ向かう

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