トランプ様の「潰すは恥だが役に立つ」劇場。反落からの大相場に備えよ=藤井まり子

相変わらずの「暴言」で話題を集めるトランプ氏が今切望しているのは、意外にも「官製の株式ブームがいったん萎み、米国が不況に陥ること」ではないでしょうか。そのほうが大型の景気刺激策が通りやすくなり、派手なインフラ・不動産バブルを演出しやすくなります。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年1月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

「計画不況」を準備するトランプ。そして到来する本当のバブルとは?

注目すべき2つの出来事

先週の主な注目すべき出来事は、1月6日にジョージ・ソロスが来日して3年ぶりに安部首相と会談したこと、1月11日のトランプ次期大統領記者会見でとうとう本性を露わにしたことです。トラ様は(確信犯的に)物議を醸すことがわかりきっている「保護主義的な発言(日本を、中国・メキシコと並んで名指しで批判)」をしました。

「ジョージ・ソロス来日」はヘリマネの合図か?

結論から言えば、安部自民党政権は、今年の秋あたりにヘリコプターマネーを発動させることでしょう。日本株式市場も、年中央あたりの大波乱の後は、なにやら大相場になりそうです。

折しも、ドイツのメルケル政権は今年9月の総選挙で減税を掲げるようです(ロイター報道より)。2017年から18年は、トランプノミックスに遅れじと、先進各国で減税が大流行するかもしれません。

話を元に戻しましょう。1月6日、ジョージ・ソロスが来日して、安部首相と30分の会談を行ないました。過去にソロスは、2014年1月のダボス会議で安部首相と短い会談を行なっています。その10ヶ月後の2014年10月には、黒田日銀がバズーカ砲を発射したことは、皆様の記憶にも新しいと思います。その後、日本株式市場は、2015年夏場まで上昇を続けました。

今回のジョージ・ソロスの来日には、アデア・タナーという著名なイギリス人が同行していました。タナー氏は『債務、さもなくば悪魔、ヘリコプターマネーは世界を救うか?』という著書を記している人物。そして、ソロスは安倍首相への影響力がとても強い人物です。

今年秋あたり(?)には、安倍自民党政権も、アメリカやドイツに見習って大規模な景気刺激策(=ヘリコプターマネー政策、具体的には減税か?)へと転じることでしょう。

ヘリコプターマネーには「大義」が必要だ

ただしその前に、今現在進行形の「官製のまどろっこしい先進国株式ブーム」がいくばくか萎まなければならないのではないでしょうか。日本のヘリマネ出動には「大義」が必要なのです。

そして、「まどろっこしい官製ブーム」を萎ませるものは、やはり「官」でしょう。イエレンFRBが今年2017年、2%を上回るインフレが起きそうなので、年2~3回の政策金利の引き上げを断行しようとしています。これにトランプ氏の保護主義的発言が幾度も重なれば、官製バブルは萎んでいくことでしょう。

また、2017年の「日本のヘリコプターマネー」の主体は安倍自民党政権であり、黒田日銀ではありません。黒田日銀は昨年9月から、長期金利をゼロ近辺にペッグする「イールドカーブコントロール」政策に転じています。これが何を意味しているかと言えば、

「安倍自民党政権が、長期国債を大量に発行して大規模な景気刺激策を行いたいのならば、日銀はそれを応援します。日銀は、長期国債の金利をゼロ(=財政コストゼロ)にキープして、政権が金利コスト・ゼロでいくらでもバラマキできるように、政権を援護射撃する準備がいつでもできあがっています」

ということです。すなわち、「ヘリコプターマネーを発動するかどうかは、政府が決めてください。政府がヘリマネ出動を決定するならば、日銀はこれにゼロ金利で応援します」という意味です。

2017年中に、安部自民党政権は「ヘリコプターマネー(=政府主導の大規模財政刺激策)」へと、大転換することでしょう。たぶん、アメリカやドイツと足並みをそろえるという意味で、秋になるのではないでしょうか。

先進各国においては、減税などの大規模財政出動は、各国が協調して同時に行なわないと、効果がない場合が多いです。一国だけで行なうと、今のアメリカのように、その国の通貨が強くなりすぎて、財政出動の効果を帳消しにしてしまう心配があるのです。

なにはともあれ、大相場が訪れそうですね。

Next: 記者会見で「破壊者」を演じきったトランプのストーリーを読む

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