アメリカ市場の「弱気相場入り」は避けられない
アメリカでは12月8日に再び「債務上限引き上げが期限(タイムリミット)を迎えます。マーケットは、このタイムリミットの少し前から崩れ始めるでしょう。
この債務上限問題は、9月にもタイムリミットを迎えました。しかし9月のアメリカ議会は「甚大なハリケーン被害」という国難に直面していました。この「国難」が幸いして、トランプ大統領は共和党を裏切って民主党と結託、見事、9月の債務上限のタイムリミットをクリアしました。
ところが、12月8日のタイムリミットは、9月のようにはいきません。困ったことに、12月の債務上限引き上げ問題は、「富裕層優遇の税制改革法案(=トランプ減税法案)」とも絡んできます。
民主党は、今回の減税法案では、「富裕層優遇」の共和党案に大反対しています。12月8日のタイムリミットでは、「富裕層優遇のための債務上限引き上げ」に全力で反対してくることでしょう。
マーケットは、「トランプ減税法案はかなり小粒になる」こと、「年内成立は不可能」であることを徐々に織り込み始めてはいます。
とはいえ、11月下旬から12月にかけて、アメリカ議会が大揉めに揉めて、トランプ減税法案がかなり小粒になるかもしれないこと、もしかしたら廃案になるかもしれないこと、小粒になるとしても減税が実施されるのは来年半ば以降であることが、「白日の下」にさらされたならば、遅かれ早かれ、アメリカ株式市場は5%くらいの調整を開始することでしょう。
こうなれば、「VIX恐怖指数」が大きく上昇してしまいます。この時、「VIX恐怖指数」の下げに賭ける「悪魔の玉手箱のような金融商品」が爆発する可能性があります。こうなれば、アメリカ株式市場は20%くらいの大幅調整局面に入る可能性があります。ムニューチン財務長官が認めているように「財務省は1月まではなんとかやりくりできる」ようですから、「アメリカドル国債のテクニカルデフォルト」は1月まで起きないでしょう。
今後の日本株式市場はバブルへ。でもその前に試練が…
今の日本株式市場には「グローバル規模でのウルトラ過剰流動性(金余り)」が流れ込んでいます。長期保有目的に地道な機関投資家も、日本株式市場に参入してきています。原油価格が安定してきたため、中東のオイルマネーが再び日本株を買い増しているという「未確認情報」もあります。
出遅れ感の強い日本株式市場は、今後はバブルへと変化していくことでしょう。当面は、アメリカ株式市場よりも、日経平均の上昇率のほうが高いかもしれません。
それだけ、今のアメリカ株式市場は、アメリカ株の高値を警戒しているんですね。ただし、目先の日本株式市場では、11月半ばあたりからアメリカ株同様に「調整」がありそうです。11月半ばあたりから、足の速いヘッジファンドたちが日本株式市場から撤退すると考えられるからです――
※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2017年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。本記事で割愛した内容や当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
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『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2017年11月2日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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