過去16回あった1日1,000円以上の上昇のうち、11回は上げ幅を帳消しにしたという事実
超短期のヘッジファンドの下方方向への攻めは一旦成功した。NYは今週からは決算発表も終わって自社株買いもできる。ヘッジファンドはひとまず鉾を納める。
だが、ここで思い出すのは、過去16回あった1日1,000円以上の上昇のうち、11回は上げ幅をすべて帳消しにしたという事実である。
市場の記憶に新しいものでは、2015年9月9日に1,343円上昇し、その正味8日後に上げ幅を帳消しにして9月29日の“運命の安値”を示現した。あの日は、あと100円下がれば大天井からマイナス20%で、これは下方趨勢に入ったとNYでは認定されるレベルだったのだ。それはNYダウ誕生以来120年間で23回しかない。
日本市場の格言に曰く「波高きは天底の兆し」と。
再び「妥当な日経平均は18,200円」の意味
生駒市Yさん宛に900円安した2月9日の夜こう書いた。
私にも下値の根拠があったわけではありませんが、本日の下げはドル円が113~114円での企業決算悪を織り込みつつあると思います。
1ドル80円台が長く続いてもシタタカにやってきた日本企業です。
株価の基本は釈迦に説法ですが、企業価値ですから、1ドル80円台時代から120円台時代までの(株価の)上げ幅の半分下がれば、相場の方でも気が済むだろうと思っただけです。
大和証券の試算では「1ドル115円の企業決算でPER14倍なら妥当な日経平均は18,200円だ」と1月下旬に発表された。大手証券と中堅証券は社員が投信営業をするから明るい見通しを立てたがる。万年強気で人気のある大和証券の木野内さんはその代表だ。
だが、ファンダメンタルな資料と企業決算の予測は客観的視覚を旨とする多数の社員アナリストの集合だから数値は信用して良い。
大和証券の相場観はアテにしないが、「ドル115円でPER14倍なら妥当な日経平均は18,200円だ」はファンダメンタルズではせめてもの「灯台」である。