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セブンのおにぎり消費期限延長に「サイレント値上げの口実か」との冷たい反応

コンビニ大手のセブンイレブンが、看板商品である「おにぎり」の消費期限を2倍に延ばすことで、廃棄される量を半減させる取り組みを行っていることが分かり、大いに注目を集めている。

これは毎日新聞のインタビューに対し、同社の社長が明かしたもの。それによると、現在は保存料を使用せずに品質を維持するため、店頭で販売できる時間を約18時間としているが、それを1日半~2日程度に延ばすことで、食品ロスの削減を目指すという。

気になるその方法だが、従来通り保存料は使わず、包装する袋に窒素を入れることで鮮度を保つ方法を検討しているとのこと。ただ、おにぎりのなかでも「手巻き」など、種類によって包装方法が異なるため、商品ごとに鮮度の維持が可能かテストを行っているという。なお、2021年3月以降に、消費期限の長い商品に順次切り替えていうという。

評価する声があがる反面、サイレント値上げを危惧する意見も

フードロスが社会問題として大いに取沙汰される昨今だけに、今回のセブンイレブンによる取り組みに関しては「立派な企業努力」「他の企業も行ってほしい」といった、称賛の声が多く寄せられる結果となっている。

特に消費期限を延ばすために、保存料を使うのではなく、窒素を充填する包装方法を選んだことに対しての評価の声が多いのだが、それとともに「袋入りのおにぎり増えたのコレの布石だったのか」といった声も。さらに、その方式だと「海苔のパリパリが保てるのか」といった疑問も一部ではあがる。

また今回の取り組みで包装方法が変わるということで、「量が減るんじゃ?」「また値上げ?」といった危惧を抱く人も多い。

少し前には断面部分だけに具がみっちりと詰まっている“ハリボテサンドイッチ”や、弁当容器の“上げ底”や“二重底”が、また最近ではバナナミルクの容器に同色の色付けをすることで、容器一杯にドリンクが入っているように見せかけていることが判明するなど、コンビニ各社によるいわゆる“サイレント値上げ”には大いに批判が集まっている。それだけに、そのような反応があがるのも致し方なしといったところだろうか。

根強い「割引販売」を求める声

このように、その取り組み自体に対しては賛同の声も多い今回のおにぎり「消費期限延長」だが、その反面で「努力する方向が間違っているのでは」という厳しい声も。その方向性としては、在庫管理手法の見直しなどもあがっているが、最も多いのが「割引販売をすれば解決するのに」という意見だ。

コンビニといえば、小売店のなかでもスーパーなどとは異なり、値引き販売を頑なにしないことはご存じの通り。コンビニ業界において、売れ残って廃棄となる前に値段を下げて販売することを「見切り販売」と呼ぶが、それをした場合コンビニ本部の利益は目減りしてしまうため、それは避けたいというのがコンビニ各社の本音だ。

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今回、おにぎりの消費期限延長を行うことが判明したセブンイレブンに関しては、食品ロス削減のために、消費期限間近の商品を購入した際に5%分のnanacoポイントが付く「エシカルプロジェクト」という事業を推進している。が、その恩恵は当然ながらnanaco会員しか受けられず、そのことに対しても不満も少なからずあるようだ。

そのような事情を踏まえ、ネット上では今回の消費期限延長の取り組みが、あくまでコンビニ本部の今まで通りの利益確保のためではないかといった見方もされており、「値引き販売は絶対にやりたくないんだな」「強い意志を感じる」といった声も多く聞こえる。

食品ロス削減への意欲的な姿勢は、多くの消費者が歓迎するところ。ただ、一連のサイレント値上げなどからも垣間見える、消費者からの批判が集中してしまうほどの“飽くなき利益追求”によって、今回の素晴らしい取り組みへの印象をも曇らせてしまっているのも事実で、これはこれで非常に残念な話だと言わざる得ない。

Next: 「あの包装で窒素は無理がある気がするのだが…」

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