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「平等に貧しくなろう」の上野千鶴子氏、タワマン生活で炎上。背景に団塊への怨嗟か

日本のフェミニズムを牽引してきた社会学者で東京大学名誉教授を務める上野千鶴子氏が、「平等に貧しくなろう」という主張をする傍らで、自分自身はかなり裕福な生活をしているとネット上で指摘され、一種の炎上状態となっている。

今回の炎上のきっかけとなった2つのツイートでは、上野氏が外車であるBMWを愛車にしているとの記事、さらに彼女が眺望良好なタワーマンションで日頃は暮らすいっぽうで、別荘にも行き来しているという、過去に出演したテレビ番組での一コマを取り上げ、その自身の主張と実際の暮らしぶりがまったく矛盾している、としている。

1月18日に相次いで投稿されたこれらのツイートは、ほぼ丸一日で1.5万件のリツイート、3.3万件のいいねを集めるなど、人々の注目を集めている。さらに「言うことが詐欺的で悪質」「まずは文化住宅に引っ越して中古車に乗り換えてから言え」といった批判意見から「ブルジョワ左翼」「赤い貴族」といったタダの悪口雑言まで、様々な声が入り乱れる事態となっている。

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炎上の元ネタが古く「なぜ今さら?」という意見も

いま現在も、その炎上の勢いはとどまるところを知らない今回の件だが、そのいっぽうで「なんで今さら炎上している?」といった声も少なくはない。

というのも、今回取沙汰される形となった「平等に貧しくなろう」発言やタワマン暮らしなどのネタ。その初出を調べてみると、まず「平等に貧しくなろう」発言は2017年の2月11日、建国記念の日の東京新聞に掲載されたものが元ネタのようだ。上野氏は“今後の日本という国のかたちを問う”という趣旨のインタビューにて、日本は人口減少と衰退を引き受けるしかないという主張のなかで、「どう犠牲者を出さずに軟着陸するか。日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい」と語っている。

いっぽう、タワーマンションでの優雅な暮らしぶりは、2019年6月に放映されたTBS系列のテレビ番組『情熱大陸』で紹介されたもので、さらに愛車のBMWが紹介されている記事は、2006年頃に読売新聞で取り上げられたもの。つまり「平等に貧しくなろう」発言は4年近く前で、タワマン暮らしは約1年半前、愛車のBMWに至っては15年以上も前の話とあって、いくらなんでもソースが古すぎて、確かになぜ今さら炎上したのかが不思議なぐらいだ。

ちなみに「愛車がBMW」の件だが、クルマ好きの間では「BMWでもZ4はそんなに高価じゃない」という意見も。また、先述の『情熱大陸』でもこのBMWに乗っていたという話もあり、だとすれば15年以上も乗り続けているということで、これは「外車を乗り回す」といったイメージからはちょっと離れたものになってくる。

「団塊叩き」要素が炎上を加速させた?

このように、ネタの鮮度的には賞味期限切れながらも、ここまでの炎上となったのは、今回取り上げられた発言とその実態の姿が、まさに「逃げ切りに成功した団塊世代」の縮図、象徴的な姿として捉えられたことが大きいようだ。ネット上でもいわゆる「団塊叩き」と絡んだ批判意見が目立ち、さらに「菅首相もこの世代」といった声もあがる。

ただ「上野千鶴子の意見=団塊の世代の意見ではないだろ」といった声も多く、「世代間分断を煽るのはちょっと違うんでないかな」といった冷静な意見も。さらに「上野千鶴子が金持ちなのは単に上野の甲斐性であって団塊だからじゃないぞ」といった、上野氏の金持ちぶりを擁護する声も少なくない。

そのいっぽうで、事の功罪はともかく「上野千鶴子は人をイラつかせることにかけては天才的」という、ある意味での彼女の実力を評価する意見も。「団塊叩き」「世代間対立」という要素もさることながら、やはり彼女の潜在的なアンチの多さも今回の炎上に繋がったようだ。

このように議論は紛糾するばかりの今回の件だが、上野千鶴子氏のツイッターを見ると、更新自体は頻繁にしているようだが、この件に関してはまったくのノーリアクション。当然、上野氏自身が反応する謂れは無いのだが、口の悪いネット住民からは「これも逃げ切り狙いか」という声も聞こえてきそうだ。

Next: 「みんな平等に貧しくタワマンに住みたい」

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