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正しく「寄付」できる子はお金に困らない。金銭教育のベストなタイミングと教え方とは?=遠藤功二

自分の懐を痛めてプレゼントする経験

「もっとお金の大切さを教えないといけない」こう思って、お金の教育を家でするようになりました。その効果は、さっき申し上げた通りです。子どもはすぐに変わりました。

子どもが自分で使うお金を家の仕事(お手伝い)で稼ぐようになって久しくなった頃、久々に私は子どもに「ママにお花でも買ってあげようか」と提案してみました。私もお金を出すので、一緒にママにプレゼントをしようという提案です。

うちの子どもは、悩みました。「プレゼントは買ってあげたいけど、自分の買いたいものを計画しているし、はっきり言って自分のお金を使いたくない」という気持ちがひしひしと伝わってきました。

結局、子どもは、その月の自由に使える予算のうち、400円をプレゼントに捻出することにしました。これで漫画1冊がおあずけです。

この時、「この子はお金の大切さわかっているな」と確信しました。お年玉でバーバに奢った時とは、手応えがぜんぜん違います。

なけなしのお金を人のために使うのは、大人でもなかなかできないことです。

「寄付」について教える最適なタイミング

このタイミングだと思って、子どもに寄付のことを教えました。

「人のために使うお金を入れる貯金箱」を用意しようという提案です。学校では「赤い羽募金」をしてますので、子どもは募金については知っています。人のためにお金を使うことが素晴らしいことだとも知っています。

でも、子どものおこづかいでは、なかなか人のためにお金を使っている余裕はありません。「お金に余裕があるから太っ腹」なわけがありません。

私の子どもは「人のために使うお金を入れる貯金」に、お金を貯め始めています。このように、寄付金をはじめから自分の懐には入れずに、分けておけば、人のためにお金を使うことなんて大したことはありません。人のために使うお金はオフバランス(帳簿に載せない)ということです。

「ママのためにプレゼントは買いたい。でも、自分ががんばって稼いだお金を使うのはつらい」この葛藤があったからこそ、「人のために使うお金を入れる貯金」の意味が理解できます。

なんでも好きなものを買ってもらっている子に、「おこづかいの一部は募金しましょう」と教えるだけでは、「ふーん、そういうものなんだ」という反応しか得られません。

お金の教育は、子どもが葛藤の中から一皮むける機会を与えてくれます。

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image by:Valerij Milanovic / Shutterstock.com
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億の近道』(2021年3月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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