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日米株価「格差」は続く。首脳会談で見えた急落要因、日経平均はいったん2万7000円も=馬渕治好

<中長期展望~2021年末に向けて>

経済や企業収益の回復は、かなり明確になってきた。ただし、回復基調は、これから極めて緩やかだろう。したがって、だいぶ将来までの企業収益回復を織り込んでいる株価の高さと、実体経済の低空飛行の差が、高PERという形で表れている。だから株価が基調として下落に向かうかといえば、そうではなく、市場は、上の位置で実体経済・企業収益が追い付いてくるのを待つだろう(結果として、時間をかけてPERが低下する)。主要国の財政・金融政策も、景気と株価の下支えに働いている。

2021年を通じて、主要国の株価や外貨相場(対円)は、短期的な上下の振れを繰り返しながらも、諸データに示される緩やかな世界経済の回復を踏まえながら、基調としては、持ち合いに上昇の色合いがついたような、じわじわとした株高・外貨高傾向を続けるだろう。

ただし日米の株価の先行きを比べると、米国では、大幅な企業収益予想値の上方修正幅に比べ、株価の上昇速度は緩やかで、結果として予想PERが低下傾向にある。すなわち、株価の上昇が企業収益の実力に比較して控えめな分、株価のさらなる上昇余地がある。一方日本は、企業収益予想値の上方修正幅を上回る株価上昇を示したため、予想PERが明確な低下傾向を示していない。つまり、株価の上昇は企業収益の実力に比べて行き過ぎており、今後は日本株が米国株に劣後するものと懸念される。

日経平均株価は、短期底値形成後は、年末に3万円前後まで戻るにとどまろう。ニューヨークダウ工業株指数は、年末に3万5,000ドル程度に達すると予想する。

外国為替相場については、徐々に世界経済が明るさを増す中で、外貨高・円安基調を見込む。外貨の中では、投資家のリスク回避姿勢が薄らぐと期待されることから、これまで優位であった米ドルより、ユーロや豪ドルなど、非米ドル通貨の方が、対円での上昇力が高いと予想する。

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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2021年4月18日号)より一部抜粋
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