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「投資系YouTuberの7割はウソ」金融の専門家が警告、海外金融商品に落とし穴=俣野成敏

実は日本にも、海外の金融商品はたくさん入ってきている

多くの日本人が、海外金融に興味を示す一番の理由は、何といっても利回りでしょう。海外には、高い利回りを上げている金融商品が多数存在しているのに対して、日本の金融商品は利回りが低く、お金が増えない、という実情があります。

実のところ、日本にも海外からたくさんの金融商品が入ってきていることをご存じでしょうか?また、日本の金融機関の多くが、海外の著名な金融機関と業務提携をしたり、運用を一部委託したり、といったことを行っています。

にもかかわらず、どうして日本には、ほとんど魅力的な金融商品がないのでしょうか。

織田さんによると、その多くは「手数料の問題」だ、といいます。要は、日本で販売されている商品には、海外の金融機関が運用する運用手数料以外に、日本の販売会社が取る販売手数料、外貨建てであれば為替手数料、間に仲介業者が入れば仲介手数料などが上乗せされています。

特に一時期、人気だった外貨建て商品などになると、たとえドル建て商品であっても日本円でしか受け付けず、購入時と解約時の2回に渡って両替手数料を取られます。さらに、レートも通常のものよりもだいぶ高く設定されているなど、多くの手数料を取られています。

他にも、顧問料、信託報酬、口座維持手数料等々、商品に応じて、いろいろな手数料が設定されています。

こうした様々な手数料が上乗せされた結果、たとえ海外の商品であっても、顧客の手元に届く頃には、“日本の商品に毛が生えたような”商品になってしまっていることが多いのです。

「海外金融商品を所有すれば、税金から逃げられる」は本当か?

それでは、海外金融商品の実例を見てみたいと思います。本日、ご紹介するのは、多くの日本人ユーザーが購入していると思われる「RL360°」という海外金融商品です。

RL360°は、元々1861年に設立されたイギリス最大の相互保険組合ロイヤルロンドングループの子会社だったRoyal London360°が提供していた商品で、現在は社名もRL360°になっています。

RL360°は、現在はIFGL社(International Financial Group Limited)に買収され、ロイヤルロンドン社のグループではありませんが、今でもロイヤルロンドンと伝えられている場面が多いようです。

なお、RL360°は税制優遇のあるオフショア地域の1つであるマン島に本社を置き、資産運用、保険商品などを取り扱っている企業です。

RL360°のような海外金融商品を販売する際に、質の悪い販売代理店がよく使うのが、「海外金融商品であれば、日本の国税に財産を把握されることもなく、課税されない」といったセールストークです。

しかしこれは、CRS(共通報告基準)という日本を含む100以上の国・地域が参加する、租税回避を防止するための金融口座情報自動交換制度がありますので、海外に金融資産を保有しているからといって、「国税に資産を把握されない」ということは、基本的にありません。

つまり海外の商品であろうと、日本居住者が利益を得れば、日本で課税対象になります。税金は、どの商品を購入するかによっても税率が異なり、さらに海外商品の場合は二重課税問題などもあって、複雑になりますからご注意ください。

Next: 日本人向け金融商品は手数料が高い?質が悪い仲介業者も

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